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ビジネス

PayPayはなぜ日本の東証ではなく米国のナスダックに上場したのか? 「資金調達のための最適なスキーム」を選んだ孫正義氏の狙いとその先にある野望

孫正義氏がPayPay上場先にナスダックを選んだ背景とは

孫正義氏がPayPay上場先にナスダックを選んだ背景とは

 ソフトバンクグループ(SBG)傘下のスマホ決済大手・PayPay(ペイペイ)が、米国ナスダック市場に新規上場し、時価総額は円換算で一時2兆円を超えた。創業8年目の企業が果たした異例の米国上場は、市場関係者から大きな関心を集めている。

「米国に上場している日系企業はソニーグループ、トヨタ自動車など世界で事業を展開しているうえに、日本の市場で株を売買できる銘柄がほとんどです。しかし、ペイペイは基本的に日本国内向けの事業にもかかわらず、東京証券取引所からの数年来の働きかけを断わって、米国市場だけに上場しました」(全国紙経済部記者)

 その背景には東証の厳しい規制がある、と経済ジャーナリストの森岡英樹氏は言う。

「東証の場合、安定株主(親会社や経営者、金融機関など)以外の持ち分である浮動株が3割程度ないといけない。一方、ナスダックはこの浮動株比率の基準が10%と緩い。SBGは今回の上場でペイペイ株の10%しか売り出さず、残りの9割は温存して絶対的な支配権を維持しているわけです。こうした動きは俗に『規制アービトラージ』と呼ばれ、規制が厳しいところから緩いところへ企業は流れます」

 保有株の大半を手放さずに上場できれば、経営面でのメリットは大きいという。

「半導体設計を手がける傘下のアームも2023年に地元の英国ではなく、米ナスダックに上場し、9割の株をSBGが保有し続けています。保有している株が多いほど、それを担保に銀行からお金を借りられる。株価が上がっていけば、資金調達力も高まるというメリットがあります」(森岡氏)

 そこにはSBGを率いる孫正義社長の“野望”があると森岡氏は見る。

「SBGはペイペイ上場に先立って、米半導体大手のエヌビディアや米携帯大手のTモバイルの株を売却しています。売却額は合わせて100億ドル(約1.6兆円)を超える。そこで得た資金は(生成AI大手の)オープンAIなどへの投資に集中させています。今回の上場も、“孫正義のAI帝国”を作るための資金調達の一環として、最適なスキームを選んだということでしょう」

 孫氏の“金策”から目が離せない。

※週刊ポスト2026年4月3日号

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