データセンターで使われる膨大な電力をどう賄うかが喫緊の課題(Getty Images)
中国経済に精通する中国株投資の第一人者・田代尚機氏のプレミアム連載「チャイナ・リサーチ」。中国で重要政策に浮上する「算電協同」の取り組みについてレポートする。
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グローバル株式市場では電力不足がAI革命の進展を阻むのではないかとの懸念が広がっているが、中国では国家主導で積極的に電力供給を増やす政策が打ち出されている。
国家発展改革委員会など5部門は2023年12月、「“東数西算”プロジェクトを深く実施し、全国で一体化された計算力ネットワークを素早く構築するための意見」(意見)を発布した。
“東数西算”とは、経済の発展している東部にデータセンターが集中する一方、電力資源が豊富で安価な西部にはほとんど建設されていないといったアンバランスを是正し、国家が経済ネットワークのハブとなる地域にデータセンターの建設を誘導することで、国全体で効率よく“データセンター+クラウド+ビッグデータ”を連携させて発展させるための政策である。“意見”では、データセンターで使われる電力をより強く新エネルギーに紐づけして供給させる方針が示されている。本土市場では、この取り組みを“算電協同”と称している。
2025年における中国AIコンピューティングに使用された電力量は前年比18.1%増の1960億kwhで社会全体の電力量の約1.7%であったが、2030年にはこれが7000億kwh超、5.3%超になると中国通信院は予想している。わずか5年でAI電力需要が3.6倍になるのであれば、電力設備の併設(あるいは余剰電力の有効利用)は喫緊の課題といえよう。
