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【注目トピックス 日本株】品川リフラ Research Memo(7):オーガニックな成長力強化に注力、中期経営計画の総仕上げへ

*12:07JST 品川リフラ Research Memo(7):オーガニックな成長力強化に注力、中期経営計画の総仕上げへ
■品川リフラ<5351>の今後の見通し

1. 2027年3月期の業績見通し
2027年3月期の連結業績は、売上高189,000百万円(前期比6.3%増)、EBITDA22,000百万円(同0.6%減)、営業利益13,000百万円(同4.5%減)、経常利益13,000百万円(同18.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益10,000百万円(同61.6%減)と増収ながら減益を見込む。2027年3月期は第6次中期経営計画の最終年度となる。これまで中期経営計画期間を通じて継続的にグローバル展開を強化してきたが、拠点拡充及びM&A後のPMI(Post Merger Integration)も十分進んだことで、いよいよグループ連携強化を通じて本格的にシナジー発揮を加速するフェーズへの移行をねらう。重点施策としては(1) グローバルなグループ連携の拡充、(2) 耐火物セクターにおける連続鋳造用機能材事業のグローバル展開の加速、(3) 先端機材セクターにおける新規分野への事業展開の加速、を掲げている。

売上高は、引き続き厳しい事業環境が見込まれるものの、Reframaxの業績が通期寄与することに加え、2026年3月に加わったDynamixの業績も寄与することから、増収を見込む。

EBITDA及び営業利益の増減要因としては、全セクターにおいてグローバルネットワークを駆使した拡販や継続的なコストダウン等を推進することが押し上げ要因となる一方、主力の耐火物セクターにおいて、数量減(6億円)、中東問題等に起因するエネルギー・原材料コストの上昇を想定した販価・原料スプレッド(7億円)、製品の販売構成変化(3億円)等のマイナス影響を見込んでいる。また、営業利益については、積極的なM&A等に伴うのれん他償却額の増加(5億円)が減益要因となる。国内粗鋼生産量(前期比2.9%減の78百万t想定)に加え、中東情勢に起因するエネルギー・原材料コストの上昇等のダウンサイドリスクを保守的に織り込んでいる。なお、2026年4月及び5月の国内粗鋼生産量は年間80百万t程度のペースで推移している。

経常利益については、前期に計上した為替差益が期初段階では織り込まれていないほか、親会社株主に帰属する当期純利益の大幅な減益見通しは固定資産売却益の剥落が主な要因だ。なお、為替前提は160円/ドルとし、1円の円安ドル高進行を想定すると、営業利益ベースでは約13百万円(経常利益ベースで約39百万円)の増益要因となる。2026年3月期実績で既に海外売上高比率は42.9%(Reframaxの業績がフル寄与した場合約45%)まで拡大しており、事業構造の変化を背景に為替動向も注視の必要性が高まっている。業種的に値上げは機動的に実施しにくい面はあるものの、推進できればこちらも上振れにつながる。

各セクターの具体的な取り組みとして、耐火物セクターは、グローバルネットワークを生かした拡販や電炉・非鉄・工業炉分野でのシェア拡大を加速するとともに、中国における連続鋳造用機能性耐火物事業の開始やモールドフラックス事業のグローバル体制強化などの連続鋳造用機能材製品のグローバル展開、及び「GREEN REFRACTORY※」の市場浸透やグリーン原料を活用した製品群の拡充に注力する。断熱材セクターでは、超断熱製品「LTCシリーズ」の市場浸透を進めるほか、建築関連・蓄電池関連など新たな事業分野の開拓と、グループ連携による石油化学、非鉄分野などへの供給体制の確立を進める。先端機材セクターは、中長期的な成長が見込まれる半導体製造装置分野での需要捕捉に向け、まずは新拠点である「瀬戸内工場」の早期安定稼働を進めるとともに、航空宇宙・エネルギーなど新規分野に向けた製品開発・拡販活動を強化する。エンジニアリングセクターは、Reframaxとの技術連携を通じた事業の強化・拡大に注力する。それだけでなく、各セクターとの連携により非鉄・工業炉分野への進出等、新規市場・顧客の開拓も進める。また、カーボンニュートラルに向けた顧客の新しいプロセス開発に対する最適なソリューションの提供や、使用後耐火物のリサイクル事業の拡充など、サステナビリティへの取り組みも強化する。

※ 同社が提供する、地球環境に配慮した耐火物製品や技術など複数のソリューションを総称するブランド。

2. 重点施策
(1) グローバルなグループ連携の拡充
2027年3月期を2022年以降の積極的なM&A等の集大成として位置付けている。アジア、欧州、北米、南米と世界中に広がったグループ網を用いた連携、さらにセクター横断的な連携を進化させることでシナジーを最大化する。こちらについては四半期ごとの実績で確認していくのが適切である。

(2) 耐火物セクターにおける連続鋳造用機能材事業のグローバル展開の加速
中長期的に同社が拡大を目指す事業の1つに、連続鋳造用機能材事業(モールドフラックス事業と機能性耐火物事業)がある。連続鋳造用機能材製品は、鉄鋼の連続鋳造プロセスにおいて、鋼の品質や歩留り、安定操業などに直結する極めて重要な役割を果たす。中国の鉄鋼メーカーでは自動車用鋼板等、電磁鋼板をはじめとした高付加価値鋼の生産能力の高度化が近年大幅に進展している。高付加価値鋼の生産拡大に伴う必然的な品質指向の高まりとともに、同社は連続鋳造用機能材製品需要の拡大余地が大きいと判断しているようだ。機能性耐火物については国内中心にこれまで事業を展開してきたが、グローバル市場への本格展開を進める。まずは、モールドフラックス事業を2008年から展開してきた中国合弁会社(品川和豊)にて機能性耐火物事業を開始することから始める(既に2026年7月完工を目標に新工場を建設中)。日本・中国・米国の3ヶ国、4事業拠点にて展開しているモールドフラックス事業についても、米国Dynamixの買収、イタリアSHINDANによる2027年3月期中の新工場稼働を通じて、米国における事業強化と欧州市場での現地展開を加速する計画だ。

(3) 先端機材セクターにおける新規分野への事業展開の加速
第7次中期経営計画にも引き継がれていくと見られる重点施策である。そもそも同社は、先端機材セクターを半導体製造装置分野や航空宇宙分野といった高成長市場にリーチすることができる極めて重要な事業と捉えている。特に国内ファインセラミックス事業を、先端機材セクターのさらなる成長を支える屋台骨と位置付け、シェア拡大と製品領域の拡大を図る。顧客開拓は着実に進展しているものの、顧客の性能及び品質の要求水準が高い領域であり、新規開拓に一定の時間を要するのは致し方ない面もあるだろう。まずはコムイノベーションとの緊密な技術協力を通じて、半導体製造装置分野における顧客ニーズへの対応力強化と市場浸透の拡大を着実に推進する。また、航空宇宙分野への参入も目指す。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 若杉 孝)

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