東京で将来を見据えた資産性のある駅はどこか(写真:イメージマート)
不動産の価値を大きく左右するのが、立地する「駅」だ。しかし、その“実力”を見極めるのは容易ではなく、将来の価値や住み心地など多様な側面の検討が必要だ。長く魅力を保ち続ける駅はどこなのか。不動産ビッグデータのAI解析を手がける企業の協力のもと、東京と大阪で「本当の駅力」を持つ駅を探った。【東京編:前編】
億超えマンションに下落の兆し
住宅価格の高騰が依然として続いている。先ごろ発表の東京カンテイの調査(5月)では、東京23区の中古マンション平均価格が1億2849万円(70平米換算)となり、25か月連続で最高値を更新した。新築マンション価格が高止まりするなか、中古市場に需要が流れた結果だという。
一方、エリアを首都圏に広げると、中古マンション価格「下落」の兆しも指摘され始めている。東日本不動産流通機構のデータによると、5月の首都圏中古マンションの成約平米単価は前年同月比マイナス3.9%だった。下落に転じるのは2020年4月以来、73か月ぶりのことで、特に都心3区(千代田、中央、港)の下落幅が大きい。
「一極集中」が指摘される東京でも、2030年をピークに人口減少となる未来が予測されるなか、どの駅に住み、どこに住宅(不動産)を買うかの見極めは、ライフスタイルや資産価値の向上を図るうえで一層重要だ。
そこで本誌『週刊ポスト』は東京と大阪の各駅を、4つの指標に基づく総合点で評価。「『本当の駅力』ランキング」としてまとめた。不動産ビッグデータのAI解析によりサービス開発や情報発信などを手がけるエステートテクノロジーズ協力のもと抽出したのが、中古マンションの「値上がり率」と「在庫増減率」だ(いずれも前年比)。
エステートテクノロジーズ取締役CMO(最高マーケティング責任者)の福永沙央里氏が言う。
「日々変動する不動産の売り出し情報を日次で収集し、AIによるビッグデータ解析をしています。そこから独自に不動産の『推定成約価格』を算出し、前年と比べたものが『値上がり率』です。これに物件の『在庫増減率』を組み合わせることで、一時的なトレンドだけでなく、将来を見据えた資産性を測ることができます」
どういうことか。
「値上がり率が高く、在庫も減っているエリアは高値でも人気が継続していて今後さらに価値が上がるポテンシャルを秘めていると言えます。一方、値上がり率が高くても在庫が増えていれば、買い手が価格に追いついておらず、そのエリアは今後、価格が頭打ちになる可能性がある、と読むことができます」(同前)
