*10:14JST 田中精密工業---26年3月期はソリューション事業が増益、長期経営計画「Next35」で新たな成長ステージへ
田中精密工業<7218>は5月14日、2026年3月期連結決算を発表した。売上高は前期比8.2%増の43,790百万円、営業利益は同12.3%減の2,372百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同33.2%減の1,194百万円となった。ソリューション事業の拡大や新規連結子会社が寄与し、着実な増収を達成した。利益面では北米での新規立ち上げコストや一過性の特別損失が下押し要因となったが、これらは将来に向けた積極的な成長投資によるものである。同社は長期経営計画「Next35」を策定し、「事業ポートフォリオ変革」を核心メッセージとして打ち出している。
主力の部品製造事業は、売上高が前期比8.6%増の32,938百万円、セグメント利益が同15.5%減の1,744百万円となった。北米自動車市場では現地調達ニーズの高まりを背景に、トヨタ系およびホンダ向けHEV用部品の新規受注を確保した。多数の未発表案件の引き合いも進行しており、中期的な売上基盤確立へ手応えを掴んでいる。また当期新規連結した米谷製作所において、金型メンテナンスサービスの拡充や、従来からの強みであるトヨタ系ネットワーク活用と、田中精密グループ商品/既存顧客も含めたクロスセリング・シナジー発揮により相互販路拡大を推進する。
ソリューション事業は、売上高が前期比5.0%増の1,433百万円、セグメント利益が同32.9%増の370百万円と大幅な増益を記録した。深刻化する人手不足を背景とした工場自動化ニーズを追い風に、同社のFA関連設備や無人自動搬送車の品質が評価され、特定顧客からのリピート受注拡大に結びついた。モビリティ事業は、売上高が同7.4%増の9,419百万円、セグメント利益が同14.2%減の298百万円となった。新車価格高騰や納期遅延を背景に中古車の供給量を拡大して増収を確保した。新規店舗投資については人口動態変化を踏まえ慎重に検討している。
既存の自動車領域にとどまらない進化に向け、次世代領域への布石も着実に打っている。航空宇宙分野では「H3ロケット」に搭載する部品を供給した実績を有し、大手サプライヤーとのアライアンスで領域拡大を推進中だ。2027年3月期は売上高44,800百万円、当期純利益1,500百万円を見込む。約5,500万ドル規模の北米新規設備投資を織り込みつつ成長を進める。株主還元では、PBR(株価純資産倍率)向上施策の一環として配当性向30%を目標水準に初めてコミットした。大型投資とのバランスを重視しながら、安定的かつ段階的な増配を継続していく方針だ。変革を遂げる同社の中長期的な成長が期待される。
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