学生からは様々な“要求”が(写真:イメージマート)
「まるでカスタマーハラスメントのようです」──。無理難題を要求したり、自身の非を認めず教員や事務方を責めたりするなど、“お客様化”する学生が年々増加していることに、大学教員たちは疲弊しているという。シリーズ「大学で深刻化するカスハラの実態」第1回記事では、講義中の私語や、カンニングへの注意に対して“逆ギレ”する学生の実例を取り上げた。
しかし、教員を困惑させているのはそれだけではない。ゼミの人間関係など、本来は学生側が折り合いをつけるべきシーンでも、大学側に個別対応を求めるケースがあるという。【全3回の第2回】
「教員が対処してくれないからゼミに出られず単位が取れない」
関東圏の私立大学で教鞭を取る女性教員・Aさん(40代)。彼女は講義科目にくわえて、広告・広報系を専門とするゼミを運営しているが、近年、学生同士の人間関係に関する“要求”が増加していると話す。
「もちろん、少人数のゼミである以上、深刻ないじめやハラスメントなど、指導教員や大学側が対応すべき問題はあります。しかし、最近は『元カレ・元カノがいて気まずいからゼミに出たくない』とか『ゼミに嫌いな子がいるから、参加したくないです』、『あの子がリーダーシップを取るのが不愉快だから、先生から注意してください』といった、かつてであれば考えられないような稚拙な相談をしてくるんです。
明確な加害行為があるわけでもなく、ただ『相性が悪い』とか『気まずい』という理由で、大人に環境を変えてもらおうとする。人間誰だって、苦手な人はいますよね。職場だって学校だって同じです」(Aさん)
そこでAさんは、各学生に「ゼミは多様な他者と協働する機会だから、それも理解してほしい」という趣旨の説明をした。しかし、学生側はほとんど納得しなかったという。
「不服そうにその場を去った学生の一人が、あとから事務方にクレームを入れました。『精神的に耐えられない人間関係を強いられる』『教員が対処してくれないから、ゼミに出られず単位が取れない。教員を注意してほしい』と……。私が学生課から呼び出され、注意を受ける結果になりました。そこまで個別対応を求めてくる学生は、昔はいませんでしたし、個別の要求をすべてのんでいたらゼミが運営できません」(同前)
