閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
FiscoNews

【注目トピックス 日本株】トヨコー Research Memo:SOSEIとCoolLaserの2柱。CoolLaserが収益化し業績拡大中

*16:11JST トヨコー Research Memo:SOSEIとCoolLaserの2柱。CoolLaserが収益化し業績拡大中
トヨコー<341A>は、老朽化した工場等の屋根を独自工法で塗装・防水工事を行うSOSEI(ソセイ)事業と、老朽化した橋梁・鉄塔など社会インフラのサビを除去する加工装置を製造・販売するCoolLaser(クーレーザー)事業を展開している。祖業でもあるSOSEI事業は安定収益源としての役割を担い、目下は社会インフラ老朽化が社会問題となるなか、成長事業であるCoolLaser事業に経営資源を多く投下してきた経緯がある。足元では同製品の販売を拡大しており、収益を伸ばしている。社会インフラの維持・長寿命化への貢献も期待されることから、今後の事業展開が注目される。

売上高は堅調に推移、利益面では成長に向けた先行投資で減益
1. 2027年3月期第1四半期の業績概要
2027年3月期第1四半期の業績は、売上高が605百万円(前年同期比24.0%増)、営業利益が131百万円(同9.8%減)となり、増収減益となった。売上高の上期予想に対する進捗率は51.1%となり、概ね計画どおりに推移している。SOSEI事業において、工事進行基準の適用に伴い、売上計上が着実に進捗したことが増収に寄与した。また、CoolLaser事業では、2台の装置を納品した。

利益面では、SOSEI事業において、中東情勢を背景とした材料価格の高騰や外注費の上昇により、売上総利益率が前年同期比でやや低下した。同社は販売単価の引き上げによる価格転嫁を進めており、通期では原価上昇による影響の縮小を見込んでいる。また、販管費では、全社従業員数が前期末の49名から54名へ増加したことに伴う人件費の増加に加え、翌期以降の成長を見据えた採用関連費用(人材紹介手数料)などの支払手数料が増加した。さらに、研究開発面でも、開発人員の拡充や消耗品費の増加により費用が増加した。

このように、原材料価格や外注費の上昇に加え、人員拡充や研究開発など将来の成長に向けた先行投資が利益を押し下げたものの、事業全体では一定の収益性を維持しており、売上高は計画に沿って順調に進捗している。

成長投資も進めながら、3期連続増収増益見込み
2. 2027年3月期業績見通し
2027年3月期の通期業績予想は、売上高4,000百万円(前期比27.6%増)、営業利益790百万円(同25.6%増)と、3期連続の増収増益を見込んでいる。増収要因としては、成長事業であるCoolLaser事業の拡大と、安定収益源であるSOSEI事業の堅調な推移を見込む。CoolLaser事業は、前期の装置12台の納品実績を基盤に、国内販売のさらなる拡大に加え、中東地域を中心とした海外向け出荷を進める。一方、SOSEI事業についても、太平洋ベルト地帯を中心とした工場の老朽化対策や自然災害対策に加え、屋根上への太陽光パネル設置に伴う需要を取り込む。両事業では、通期業績予想の達成に向けた案件パイプラインを確保しており、計画達成に向けた事業基盤は整っている。

利益面では、高付加価値を背景とする高水準の売上総利益率を維持しながら、将来の成長に向けた先行投資を進める。両事業において、前期と同程度の約40%の売上総利益率を維持する計画である。販管費では、人件費や採用費用を中心とした増加を計画しているものの、売上高の拡大による利益の積み上げにより、増益を確保する見通しである。

2030年3月期にCoolLaser納入120台を目指す
3. 中期経営計画の進捗状況
同社は、2024年12月9日に発表したCoolLaser事業の「中期経営計画」を推進している。同計画では、各期の納品台数について下限値と上限値を設定しており、2027年3月期は17~24台、2028年3月期は35~65台、2030年3月期は120台の納品を目標としている。なお、2026年3月期の納品実績は12台となり、計画範囲内で着地した。

現状の生産能力は、部材の調達可能数量を踏まえると月間2台程度となっている。同社は、部材の調達可能数量を拡大し、2028年3月期上期中をめどに生産能力の引き上げを図る。また、2028年3月期中をめどに、1台当たり20百万円の原価低減を進める計画である。

技術面では、経済産業省の2025年度「産業標準化事業表彰」において、「イノベーション・環境局長表彰」を受賞するなど、技術の信頼性向上につながる取り組みも進展している。足元では、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「2025年度中小企業・SDGsビジネス支援事業(JICA Biz)」に採択されたほか、関越自動車道において、横河ブリッジホールディングス<5911>と連携し、NEXCO東日本向けの現場検証会を実施した。

今後は、全国に約12,000基ある歩道橋の長寿命化需要に加え、防衛装備庁が主催する海外展示会への出展を通じた防衛分野での活用も視野に入れている。試算される国内市場規模は800億円以上とされており、今後の市場開拓による事業拡大の余地は大きい。また、海外展開も中長期的な成長要因として期待される。2026年2月には、アラブ首長国連邦(UAE)から初の海外受注を獲得したほか、ASEAN地域や台湾などの販売代理店と連携し、商談を進めている。

さらに、人員採用の強化に加え、コーポレート・ガバナンス体制の整備などの基盤強化も進めている。加えて、CoolLaserの販売パートナーである三菱HCキャピタルとの連携を強化している。

利益成長率20~30%で、時価総額400~600億円も視野
4. 株価
CoolLaser事業の「中期経営計画」で掲げる2030年3月期の販売台数目標120台という数値は、利益率が大きく変化しない前提を置いても、営業利益CAGRで+50%を上回る。PERは現在40倍を超えているが、最低限の数値となるであろう15倍を置いても、時価総額は300億円超となる。膨大な需要を背景に、利益成長率で20~30%を保っていれば、400~600億円という時価総額も十分視野に入ってくる。

また、同社は2026年3月に配信開始された「JPXスタートアップ急成長100指数」に選定された。建設業では、唯一の指数選定となっており、今後は指数ファンドからの資金流入も期待される。2026年3月末の投資信託持株比率10.5%(2025年9月末比6.3ポイント上昇)となった。引き続きAI関連に見られるような高いPER評価を保ちながら、高い利益成長に応じた株価の切り上がりが想定できるシナリオということになろう。

Key Points
・SOSEI事業とCoolLaser事業の2本柱、CoolLaser事業は収益化フェーズに入り、業績拡大中
・2027年3月期第1四半期、売上高は堅調推移、利益面では将来の成長に向けた先行投資で減益
・2027年3月期通期では、成長投資も進めながら、3期連続増収増益見込み
・インフラが老朽化するなか、国内外でのニーズは大きく、アップサイドは大きい

(執筆:フィスコ客員アナリスト 渡邉俊輔)

<HN>

fisco

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。