高市早苗・首相の強硬な人事に潜む危うさ(時事通信フォト)
財務省の次官候補だったエース官僚の突然の“左遷”は霞が関に衝撃を与えた。高市早苗・首相が進める「食料品の消費税減税」に消極的とされる財務官僚が“見せしめ”として追放されたといわれるが、取材を進めると、高市首相は他にも着々と異論を封じる策を講じていることが見えてきた。その政治手法は、この国に何をもたらすのか――。
内閣改造で狙う財務省と同様の踏み絵人事
自民党内では高市首相が閣議決定した消費税減税への反発が強まっている。
首相は8月4日の自民党役員会で、例年年末にまとめる与党税制改正大綱を9月中旬に前倒しし、そこで飲食料品の消費税率を1%に引き下げることを決定、秋の臨時国会に法案を提出する方針を打ち出した。
これに森山裕・前幹事長が、「財源をどこに求めるのか、議論が始まっていない。財源なき減税は国債の信認に関わる」と批判したのをはじめ、河野太郎・元デジタル相、自民党税調インナーを〝抗議の辞任〟した小渕優子・元経産相ら財政規律派が減税方針に公然と批判の声を上げており、石破茂・前首相らも再検討を主張している。
そこに財務省の財政規律派が加われば、税制大綱決定をめぐる党内論議で減税批判が一気に広がる可能性がある。
だが、高市首相はそれを逆手に取って、党内の減税反対派をあぶり出し、内閣改造でまとめて粛清する計画を練っているようなのだ。
