会社員との二刀流は「メリットしかない」と語る(宇井剛史さん)
特別な技術や資格がなくとも、パソコンやスマホさえあれば自分の趣味や特技が金に変わる──そんな世界が広がっているのが「ネット副業」だ。オンラインを通じて稼ぎを得ている人たちの「儲けのメソッド」を聞いた。
新規就農は非現実的だと諦めていたが…
およそ1万平米の敷地に並ぶ約2500本のブルーベリー。観光農園「東金ジャンボブルーベリーエクスファーム」を切り盛りするのは、通信系企業に勤める会社員の宇井剛史さん(47)だ。宇井さんの“二つの顔”を持つ暮らしは、勤務形態の上に成り立っている。平日のうち会社に出勤するのは週3日。残りはリモートワークだ。
「早朝から自宅でリモートワークをして、午後から畑に行くことが可能な職場だからなせる就農スタイルです」
農園ではピザ作り体験も人気
大手印刷系企業やメーカー勤務等を経て、2022年から現在の会社に籍を置く。印刷系企業には15年勤め管理職も経験したが、そのなかで「農業」への憧れが膨らんだという。
「実家で叔父が農業を営んでいたこともあり、私もいつか地元で持続性のある農業で成功できたらと漠然と考えていました。しかし、農家の長時間労働・低収入の実情を知り、サラリーマンを辞めての新規就農は非現実的だと諦めていました」
そうした葛藤のなか、2017年6月、脱サラの末ブルーベリー農家として成功した先達の著書を読み、そのオンラインセミナーを受講する機会があった。
「内容はまさに私が探し求めていた情報でした」
農園経営のノウハウを学んだ宇井さんは2018年、15年勤めた会社を辞めた。退職金を元手に、40品種1200本の苗を購入。千葉県多古町にある叔父の農地の近くに土地を借り、ブルーベリー栽培を始める。2020年の農園開園を目指しての船出だった。ただし、会社員の身分を捨てたわけではない。
「農業一本では家族に迷惑をかけるかもしれず、兼業が認められる現在の会社に転職しました」
なんとか栽培は始まったものの、そこからが波乱の連続だった。

