「楽しみながら収入につながる副業を見つけられた自分は幸運」と語る小澤恭一郎さん
特別な技術や資格がなくとも、パソコンやスマホさえあれば自分の趣味や特技が金に変わる──そんな世界が広がっているのが「ネット副業」だ。オンラインを通じて稼ぎを得ている人たちの「儲けのメソッド」を聞いた。
置き場所がなくなった完成品をネットオークションに出品
栃木県足利市。早朝から机に向かい、1日10時間以上、コンマ数ミリ単位で指先を動かす男性がいる。小澤恭一郎さん(66)が手がけるのは、客から送られてきたプラモデルを組み、塗装し仕上げる「製作代行」だ。コールセンター勤務時代の62歳で副業として始め、昨年65歳の定年退職を機に副業がライフワークになった。最初の1個は、幼少期の頃に触ったサンダーバードのプラモデルだった。
「模型店を営む叔父の影響もあり、中学時代から主に車やバイク、飛行機、船などスケールモデル全般を作り、色の塗り方も覚えて細かな仕上げにもこだわっていました」
もっとも、途切れなく作り続けてきたわけではない。高校時代からは趣味の幅も広がり、プラモ製作は趣味の一つとなった。だが腕前は衰えず、40歳頃には展示会へ出展することもあった。
本格的な再開は50歳の時。たまたま入った模型店で「ガンプラ」が目に留まり、再びプラモ作りへの情熱が再燃した。以来、車、バイク、飛行機、船などを作り続けている。ところが再開の直後、現実的な問題にぶつかる。完成品がたまり、置き場所がなくなったのだ。やむなく作品の数々をヤフオクに出品した。
「売れ行きは好調。落札者から高評価をいただき『自分のプラモデル作りのスキルが活かせるのでは』と思い始めたんです」
小澤恭一郎さんが作成した昭和スカイラインのプラモデル
ネットで「腕」を売る
売れているのはモノではなく腕ではないか──。YouTubeで、プロのモデラーが製作代行会社を営んでいることも知っていた。その腕前を仕事に変える仕組みが「ココナラ」だった。当時62歳の小澤さんはココナラに登録、プラモデル製作代行の副業を開始した。副業に充てられるのは、勤務の合間だ。
「仕事がある日は1日4~5時間、休日は朝早く起きて1日10時間以上作業することも。モノによりますが、例えば一つの車の模型を作るのに60~70時間、2週間くらいかかっていたと思います」
料金は、車の模型で2万円台から。プラモデル本体は基本的に依頼主が用意する。月の売り上げは完成品1~2点で2万~4万円だった。そんな小澤さんは、62歳で受けた最初の依頼が忘れられないという。

