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フリマサイトでは定価以下で販売中 ゲームファンたちが「PSVR2」購入を見送った理由

VRを体験できるゴーグル型端末『PlayStation VR2』はどこまで普及するか(時事通信フォト)

VRを体験できるゴーグル型端末『PlayStation VR2』はどこまで普及するか(時事通信フォト)

 PlayStation 5(以下PS5)専用のVRシステム『PlayStation VR2』(以下PSVR2)が2月22日に発売されたが、その後の市場の動きはどうなっているだろうか。PS5は発売から長らく品薄状態が続き中古価格が高騰していたが、PSVR2はフリマサイトなどで定価より安い価格で販売されているようだ。

 PSVR2の定価は単体で7万4980円(税込み、以下同)、PSVR2専用ゲームソフト『Horizon Call of the Mountain』のダウンロード梱包版は7万9980円。3月5日の時点でフリマサイト「メルカリ」にて「PSVR2」で検索すると、6万円台後半から7万円台前半での出品が多く見られる。ゲーム業界事情に詳しいジャーナリストの藤井夏樹氏はこう話す。

「PS5は2020年11月の発売から約2年ほど、国内では需要に対して流通数が少なく、さらに転売目的で購入されていたケースも多かったため、フリマサイトでは定価よりも高い価格で取引されていました。

 ただしPSVR2については、先行予約の条件として〈2021年11月1日から2022年10月31日までの期間中、PS5またはPS4で20時間以上のゲームプレイがあること〉などの制限を設けたことで、いわゆる“転売ヤー”が排除され、きちんとユーザーに届いているようです。

 また、7万円以上という高価なデバイスであるうえ、VRコンテンツに対する需要も現時点でそこまで高いわけではないことから、そもそも品薄にはなっていない。その結果、中古の価格も“定価よりやや安い程度”というところで落ち着いているのでしょう」

 PS5の本体価格(通常版が6万478円、デジタル・エディションが4万9478円)よりも高価なPSVR2は、たしかに簡単に手が出るものではなく、熱心なゲームファンの中でも、今回は見送ったという人も少なくない。そこで“PSVR2は買わなかった(買う予定はない)”というゲームファンの本音を聞いてみた。

初期型は不具合が出やすいので敬遠されがち

 都内に住む会社員・Aさん(40代男性)は、小学生の時にファミリーコンピュータを親に買ってもらったのを皮切りに、今まであらゆるゲーム機で遊んできたという生粋のゲームファン。PlayStationシリーズは、初代からPS5までの全機種でプレイしている。『PlayStation VR』(PSVR)も所有しているAさんだが、今回PSVR2については、ひとまず購入を見送ったという。

「PSVRでのゲームプレイは、それまでにない体験だったので、それなりに楽しんでいたんですが、いわゆる“キラーソフト”と呼べるようなゲームが登場せず、実際に使用する頻度はかなり低いんです。

 今回のPSVR2も、『Horizon Call of the Mountain』や『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』など、魅力的なソフトが同時発売されましたが、7万円以上払ってプレイしたいかというと、微妙。発売直前の状況を見ていたら、品薄になることはなく、いつでも買えそうな感じだったので、とりあえずスルーしました。メルカリなんかで定価より安く出品されていたり、不具合が報じられたりしているのを見ていると、焦って買わなくてよかったと思います」(Aさん)

 発売直後には、PSVR2の右コントローラーだけが動かなくなる不具合報告が多数出ているとも報じられた。

「家庭用ゲーム機の初期型は不具合が出やすいと言われていて、それを避けるユーザーは一定数います。今回のPSVR2のコントローラーの不具合は、そこまで深刻なものではないようですが、こういったニュースがあったことで、買い控えているゲームファンはいるでしょう」(藤井氏)

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