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防災のプロが携帯する“あらゆる事態を想定した”4.5kgの「防災グッズ」の中身

高荷さんが持ち歩く防災グッズから厳選した「一般におすすめの防災ポーチ例」

高荷さんが持ち歩く防災グッズから厳選した「一般におすすめの防災ポーチ例」

防災グッズを6つのカテゴリーに分けて収納

 1月、JR京都線などで大雪により約10時間車内に閉じ込められるトラブルがあったが、地震に限らず、災害は予期せず起こる。となれば、外出時の備えも不可欠となる。そこで、防災のプロである高荷さんに、日頃携帯している防災グッズを聞いてみた。

「私は自宅が静岡県で、職場が東京のため、都内で被災すると帰宅困難者になります。そこで、“徒歩で被災地を離れて交通手段のある場所まで移動する”状況を想定し、2~3日自力で生き延びるために必要なアイテムを、仕事用リュックに収納しています。あらゆる事態を想定したフル装備で、総重量は約4.5kg! かなりマニアックなので、一般のかたにはおすすめできません(笑い)。みなさんは、まず行動範囲や起きうる状況を想定し、自分なりの防災アイテムをそろえてみてください」

 高荷さんは、防災グッズを【1】体の一部、【2】身の安全確保、【3】手当てと衛生、【4】情報収集、【5】一時滞在、【6】水と食料という6つのカテゴリーに分け、ポーチの大きさに合わせて収納している。

「【1】は、メガネや補聴器、持病の薬など、生活する中でなくては困るもの。たとえば、メガネを新調したら古いものを防災用にするなど、使い回すと無駄もありません。【2】は、風雨や寒暑、がれきなどから身を守るための衣類(雨具や手袋等)、暗闇を照らすヘッドライトなど。

【3】は、応急手当て用品や簡易トイレ、除菌シートなどの衛生用品です。【4】は、災害時の連絡・情報収集手段として不可欠なスマホの充電器。私は1万mAhのものを使っていますが、一般的な5000mAhのものでも充分です。予備として、電池式のモバイルバッテリーも持ち歩いています」

 また、万が一スマホが使えなくなった場合の紙の地図・メモ類も常備。家族の写真や緊急連絡先、保険証のコピーも、持っていると安心だ。

「【5】の“一時滞在”とは、自宅以外で一晩過ごす状況下であると便利な保温シートや使い捨て下着などのこと。【6】は、その名の通りです。水は、ふだんから水分補給として持ち歩くとよいでしょう。食料は、長期間バッグの中に入れたままでも型崩れしない『えいようかん』(賞味期間5年6か月の非常食)を持ち歩いています。この中で、私が最も重要だと考えているのが雨具と、両手が使えるヘッドライト。雨に濡れると体力を奪われますし、暗闇では動けなくなる。どちらも生死にかかわります」

【プロフィール】
高荷智也さん/備え・防災アドバイザー。「自分と家族が死なないための防災」をテーマに、防災を広く伝える活動を行う。日本最大級の防災専門YouTubeチャンネル「そなえるTV 」では、実践的な防災を解説中。近著に『今日から始める本気の食料備蓄』(徳間書店)。

備え・防災アドバイザーの高荷智也さん

備え・防災アドバイザーの高荷智也さん

取材・文/佐藤有栄

※女性セブン2023年3月16日号

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