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「彼女の思いが国を動かした」 元統一教会信者ジャーナリストが実感する“小川さゆりさんの功績”

 それまで旧統一教会に対して声を上げることに対し、「教団のなかにいて静かに信仰をしている人もいるはずだから、尊重しなければならない」といったことを話す方もいました。しかしそれは一般の宗教であれば当てはまる部分もあるかもしれませんが、相手方を「サタン」とみて活動している、この教団においては、それができません。

 旧統一教会からの指示を受ければ、それを神様の言葉としてとらえて、それが社会的にどんなにやってはいけないことであっても、その通りに行動しなければならないからです。

今年に入って信者を焚きつけるような言葉

 私は、信者時代、たくさんの信者と接してきました。もちろん癖のある人もいましたが、その多くは純粋に教義を信じる、性格も素直で、真面目な信者たちです。しかし、ひとたび教団からの命令が下れば、霊もみえないのに、嘘をついて、壺や印鑑などの霊感商法でお金を取る。教団の正体を隠して、時に「宗教ではありません」と嘘をつき、ビデオセンターに多くの人を誘い入れるなどの社会的規範から逸脱した行動をしなければなりません。私自身も、教団に反対する家族は「サタン」と教えられて、家族や親族に対して、どれほど心を傷つけるような言動をしてしまったかわかりません。

 しかも今年はじめ、信者らの心を焚きつけるような言葉が旧統一教会の田中富弘会長から発せられました。「我々がぶれない限り、サタン側が必ず崩れていく」。

 教団に反対する者たちを「サタン」と呼び、敵視させる方向に信者を指導しています。より信者らの心が頑なになり、攻撃的にならないかを心配しています。

 私は関西のテレビ番組に出演するために、小川さゆりさんの会見を控室で見ていました。それを見ていて、教団は過去から今に至るまで何も変わっておらず、教団の自主的な改革はもはや不可能だと確信しました。教団の自主的な改革に期待していた自分を大きく恥じました。

 高額献金、霊感商法による被害者を多数生み出した、旧統一教会という団体は、やはり宗教法人として解散させなければならないという強い思いに、完全に舵を切りました。

小川さんの会見以後、大きな動きが

 彼女が責められている姿を見て、憤りや悔しさ、悲しみを抱いたのは、おそらく私だけではなかったと思います。実際に、番組の出演者の方のなかでも涙する方もいました。

 そしてついに、その思いは国をも動かしました。これまで旧統一教会の被害者救済をしてきた、全国霊感商法対策弁護士連絡会は、文化庁に対して、繰り返し旧統一教会の解散請求を求めてきました。あの会見以後、まったく動かなかった岩が一気に動き出しました。今、旧統一教会の解散命令請求の要請に向けて、文化庁による4回目の質問権が行使されています。

 さらに昨年12月に、旧統一教会の高額献金問題に端を発した、被害者救済新法「法人等による寄附の不当な勧誘の防止等に関する法律」も異例のスピードで成立しました。その中身は、本当の意味で高額献金を防げる内容にはなっていないとはいえ、これまで高額献金の規制の「規」の字もなかったこと考えれば、画期的なことです。

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