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《WBC運営の裏側》「侍ジャパン」が優勝も結局は米国が大儲けする「いびつな大会構造」

トロフィーを手にする大谷の横で喜ぶMLBコミッショナーのロブ・マンフレッド(時事通信フォト)

トロフィーを手にする大谷の横で喜ぶMLBコミッショナーのロブ・マンフレッド(時事通信フォト)

 WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)は日本代表「侍ジャパン」が、無傷の7連勝で、14年ぶりの世界一を奪還して幕を閉じた。今大会の日本戦について、テレビ中継の視聴率にもその熱狂ぶりが大きく反映されることに。7試合連続で平均視聴率が40%超えという結果は、テレビ離れが進む各局のなかで、さぞかし明るい話題になっている……かというと、そういうわけでもないらしい。テレビ局関係者が語る。

「WBC史上過去最高の平均世帯視聴率は準々決勝のイタリア戦で、48.0%を記録しました。また決勝戦に関してはテレビ朝日の集計によると視聴人数(同局の系列24局を対象にした個人全体4歳以上において1分以上番組を”見た”人数)が5463.9万人に達し、国民の約半分近くが『侍ジャパン』の優勝を見守ったことになります。

今回、WBCの放映権を購入したのはTBSとテレビ朝日の2局のみ。しかし、20億円とも30億円とも報じられた高額な放映権料のわりにCM枠も限られていて、視聴率が過去最高だったとしても、放送枠単体でみるとむしろ赤字になると言われています」

 今回の大会では「FOX Sports」が全米での独占放映権を獲得し、全体の放映権料を押し上げる要因になったとされている。では、この高額な放映権料は一体どこに向かうのか──。

WBC開催当初からの“不平等条約”

 大会の主催者はWBCI(ワールド・ベースボール・クラシック・インク)で、MLB(メジャー・リーグ・ベースボール)機構とMLB選手会が共同で立ち上げた組織として知られる。すべての国で得られたチケット代、スポンサー契約料、放映権料、グッズの肖像権から得られる収益は一度、このWBCIに集められ、各国に再分配されるのだという。ノンフィクション作家で元博報堂社員の本間龍氏がWBCの利益分配について指摘する。

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