トレンド

平均年収が低い会社のほうが高年収が期待できる? ビジネスに役立つ「数学的」な思考法

このようなヒストグラムにすれば一目瞭然(新書『仕事に役立つ数学』より)

このようなヒストグラムにすれば一目瞭然(新書『仕事に役立つ数学』より)

 これらの計算方法や作成手順は、拙著で詳しく解説していますが、ヒストグラムや「分散・標準偏差」を使うと、K社の年収は平均値の420万円を中心に、ほぼ左右均等にまんべんなく分布している様子が見て取れます。

 一方、O社の年収は、上位2個のデータ(780万円、830万円)が突出しているのが一目瞭然となります。しかも、O社の30代社員の平均年収は455万円でしたが、このような分布のもとではもはやこの平均値はまったく意味をなさないこともわかってもらえると思います。

 というわけで、もしMさんが、非常に能力が高く、平均的な人材よりも稼げる自信があるなら、O社のような給与体系の会社が有利かもしれません。しかし、とりあえず仕事に慣れることから始めたいと考えているなら、社員間の給与のバラつき度合いが小さいK社のほうがおすすめ──ということがわかります。

「各個人の年収額を並べて見れば、だいたい想像がつくことなのでは?」と思われる方もいるかもしれません。でも、「だいたい」という感覚に頼るのは判断ミスにつながりかねませんし、社員数がこの何倍にもなれば、ますます判断が難しくなります。

 こうした時こそ、ビジネスに「数学」が大いに役立つのです。

【プロフィール】
鈴木伸介(すずき・しんすけ)/1979年、奈良県生まれ。株式会社数学アカデミー代表取締役。おとなのENJOY! 数学クラブ主宰。中小企業診断士。早稲田大学理工学部卒。医学部受験に特化した数学マンツーマン指導事業を中心に、企業を対象にした数学リテラシー向上研修やデータ分析コンサルティング事業を行なう。数学の価値・楽しさ・使い方を広く伝える活動を行なっている。著書に『もう一度解いてみる入試数学』(すばる舎)がある。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。