森口亮「まるわかり市況分析」

米国で「景気不安」が話題に上る3つの理由 雇用統計は好感されるも懸念材料は残る

いま米国市場はどのような状況に置かれているのか(写真:イメージマート)

いま米国市場はどのような状況に置かれているのか(写真:イメージマート)

 米・シリコンバレー銀行の破綻から約1か月が経ったが、最近の米国に関する報道では「景気不安」が話題に上ることが増えている。いま、米国市場を取り巻く環境はどうなっているのか。連載「まるわかり市況分析」。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんが、米国で景気不安が話題に上っている3つの理由について、解説する。

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 米株式市場に関するニュースにおいて「景気不安」というワードを目にすることが増えてきました。今になってなぜ「景気不安」が叫ばれるようになったのでしょうか。これには3つの理由があると分析しています。今回は、景気不安が懸念される要因と、今後の注目ポイントについて解説していきます。

【理由1】 OPECプラスによるサプライズ減産

 石油輸出国機構(OPEC)と非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は4月2日、5月から日量100万バレルを上回る減産を実施すると発表しました。これは、市場が想定しなかったサプライズの減産となり、翌3日の原油価格は大きく上昇してスタートしました。原油価格の上昇は、いまだインフレが高止まりしている中で、中央銀行を悩ませる新たなリスクと意識されているようです。

【理由2】下振れ続く経済指標から景気不安が増殖

 OPECプラスによるサプライズ減産報道があった同じ週に、アメリカの重要な経済指標で予想を大きく下回る発表が相次ぎ、「景気不安」が叫ばれる場面が増えました。3日発表のISM製造業景況指数、5日発表のISM非製造業景況指数は、市場予想を大きく下回り、2020年5月以来の低水準になりました。製造業、非製造業ともに景況指数が悪化したことにより、景気不安がより意識されているのではないでしょうか。また同日発表となったADP雇用統計についても、市場予想の前月比20万人増予想に対して14.5万人増と大きく下回りました。

 こうした指標発表を受けて、市場では雇用も景気も悪化していることが懸念され、債券や金が買われ株が売られるような、安全資産への逃避が一部で起きています。7日に発表された雇用統計については、市場予想とほぼ一致し、マーケットには好感されていますが、不安を払拭するまでには至っていません。

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