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芸能人も子供を通わせる「インターナショナルスクール」とはどんな学校か? 高額な授業料以外にもかさむ出費

補助金を受けられないので授業料は高額に

 そもそも、「インター」はどんな学校をさすのか。教育ジャーナリスト・教育アドバイザーで、自身も小学2年生から中学2年生までインターに通った萩原麻友氏が解説する。

「本来は、文化的・宗教的・言語的理由などから日本の学校では受け皿が足りないとされるニーズに応える形で作られた学校をさします。基本的に授業では英語が使われていますが、子供たちの母国語が必ずしも英語とは限らないため、学校生活を送るうえで足りない英語力を補う授業を用意しているインターもあれば、入学時点である程度の英語力を求めるインターもあるなどさまざまです」

 日本にあるインターの場合、仕事の都合で日本に駐在している外国人が子供を通わせたり、海外の教育カリキュラムに魅力を感じた日本人が通わせたりするケースが多い。多くのインターに共通しているのが、格段に高い「授業料」だ。

「インターは学校教育法に定められた教育施設ではないため、国や自治体からの補助金を受けることができません。家賃や教員を雇うお金もすべて自助。つまり保護者から徴収する授業料や寄付金ですべて賄われているため、割高になる傾向があります」(萩原氏)

 年間の費用が400万円にものぼるインターもあり、入学させたはいいものの、卒業まで通わせられなかったという思わぬ落とし穴も。

長い夏休みも出費がかさむ要因に

 保護者の出費はそれだけではない。都内のインターに子供を通わせるAさんが話す。

「イベントごとが非常に多く、費用がかさみます。パーティーや学校行事のたびに参加費がかかることが大半。家族で出席するようなイベントは全員の参加費がかかります。さらにイベント時には新品の洋服を買い揃えたり、プレゼントを用意したりもしています」

 日本の学校より長い夏休みも、出費がかさむ要因のひとつだ。

「約3か月ある長い夏休みの間に、せっかく身についた英語を忘れてしまう子供がいます。保護者はそれを心配して、英語塾に通わせたり短期留学に行かせたりするので、プラスでお金がかかるケースがあります」(萩原氏)

 インターに通う子供の家庭の多様性も影響する。

「インターの中には給食がないところもあります。ベジタリアンだったり、宗教上の都合で食べられないものがある子供もいます。そのため、私が通っていたインターでは、小学生の頃からお小遣いを持ってきて、お昼はカフェテリアで食べていました。幼い頃から日常的に異文化に触れる機会があるのはとてもいい経験でしたが、潤沢なお小遣いが必要になる側面でした」(萩原氏)

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