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インターナショナルスクール出身者の苦悩 「日本の歴史はクイズ番組で学んだ」漢字への苦手意識も

インターナショナルスクールの授業は、基本的に英語で行なわれるという(写真:イメージマート)

インターナショナルスクールの授業は、基本的に英語で行なわれるという(写真:イメージマート)

 グローバルな感覚を幼少から身につけてほしいと、我が子をインターナショナルスクール(以下、インター)に通わせる親は少なくない。

 国際語学教育機関である「EFエデュケーション・ファースト」がまとめた2022年版の「英語能力指数ランキング」によると、英語を母語としない112か国・地域のうち、日本人の英語力は80位。昨年より2ランクダウンした。グローバル人材の重要性が謳われて久しいが、日本人の英語能力の拙さは相変わらずだ。

 その点、基本的に授業が英語で行なわれるインターに通う子供たちは、たしかな英語力を身につけることができる。子供をインターに通わせるAさん(神奈川県在住)が語る。

「幼いうちから英語に接しているので、英語を話すことに対しまったく抵抗がありません。勉強としての英語ではなく、コミュニケーションスキルのひとつとしての英語が身についているように思います。

 また、自分の意見や考えを発表する積極性が求められるので、考える力や発信力が養われている気がします。日本人の控えめな精神は、世界ではただ消極的に映るだけ。大舞台でも物おじしない心の強さも、インターでは培われています」

 会話には強くなったが意外な落とし穴があったと話すのは都内在住のBさんだ。

「ほとんどのインターは“英語のネイティブスピーカー”が講師を務めていると喧伝します。しかし、中にはネイティブはネイティブでも、かなりなまりが強い英語圏出身の先生がいます。会話への度胸がついたことはもちろんうれしいですが、先生の影響を受けてわが子の英語もなまってしまっているのが少し気になります」

 こんな声も聞こえてきた。

「うちの子のインターには日本の学校には当たり前にある国語や日本の歴史、地理などの授業がないため、漢字の読み書き、作文、社会などは苦手。中学や高校受験をするとなったら、家庭教師に見てもらわないと追いつけません」(都内在住のCさん)

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