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コンビニ“海苔ぱりぱり系”おにぎりが激減 各社「お米や具材で勝負する」時代に

コンビニおにぎりの高級路線として「海苔ぱりぱり系」が人気だったが…(イメージ)

コンビニおにぎりの高級路線として「海苔ぱりぱり系」が人気だったが…(イメージ)

“ぷち贅沢したい”や“具材の食べごたえや海苔も楽しめる”といった需要を捉えここ数年、人気になっていたコンビニの高級おにぎり路線に、“異変”が起きている。「ぱりぱり」とした食感が特徴の、海苔が別包装されている「手巻き」タイプの高価格帯のおにぎりが激減しているのだ。

 たとえば、セブン-イレブンが2014年に販売開始した「こだわり手巻きおにぎり」シリーズは、有明海産海苔を全面に打ち出す商品として、高級おむすびラインナップの中心的存在だったが、この春、ひっそりと、販売が終了している。その背景には何があるのか。流通に詳しいジャーナリストが説明する。

「全漁連によれば、2022年度の海苔の生産量は激減している。有明海で赤潮が大量発生した影響などもあって、生産量は約48億枚と、51年ぶりに50億枚を下回った。それに伴い、海苔の価格も約40年ぶりの高値となるなど高騰しています。そしてコンビニは、国産海苔の約3分の1を消費しているため、その影響を受けているのではないか。

 200円を超えるセブン-イレブンの一連の商品は、海苔の品質を売りにしていただけに、 “良質な海苔の安定供給”がなければ成り立たない。海苔のうま味を引き出す焼き上げ方の特許を取得しているセブンが、家庭用海苔価格も上昇してきたこのタイミングで同商品を販売終了するのは、象徴的です」

 セブン-イレブンを展開するセブン&アイ・ホールディングスに尋ねると、「海苔の不作は商品展開には関係はない」との回答だったが、最近は、どのコンビニも海苔を全く使用しないものや、海苔が小さいおにぎりのラインナップが増えている印象だ。現在、セブンが大きく展開する「八代目儀兵衛監修」シリーズは、お米へのこだわりを前面に打ち出しており、半数が海苔を使わない商品となっている。

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