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車、マンション、家電、アパレル、学習塾… 各業界の営業マンが明かす「私の必殺セールストーク」

「我々は売っているものが高額で、買い手は当然、購入には慎重ですから、1つのネガティブ情報が購入をためらう理由になってしまう。不誠実なやり方に見えるかもしれませんが、100点満点の家なんて見つかるわけないんですから、こちらは買いたくなるように背中を押すだけです」(Yさん)

マンション販売のYさんは“良いことしか言わない”という。「我々は売っているものが高額で、買い手は当然、購入には慎重ですから、1つのネガティブ情報が購入をためらう理由になってしまう。不誠実なやり方に見えるかもしれませんが、100点満点の家なんて見つかるわけないんですから、こちらは買いたくなるように背中を押すだけです」(Yさん)

 マンション販売のYさん(40代男性)は、Kさんとはまるで正反対で、“良いことしか言わない”という。

「我々の業界は、とにかく良いことしか言わないのが鉄則。ベランダから富士山が見えるなら、たとえそれが年に数日でも、絶対に富士山が見えることをアピールしますし、かなり距離があっても、『花火大会が見えます』なんて言うのは当たり前です。ウソは絶対にご法度ですが、聞かれない限り、少しでも売り手に不利になるような情報は言いません。

 我々は売っているものが高額で、買い手は当然、購入には慎重ですから、1つのネガティブ情報が購入をためらう理由になってしまう。不誠実なやり方に見えるかもしれませんが、100点満点の家なんて見つかるわけないんですから、こちらは買いたくなるように背中を押すだけです」(Yさん)

グイグイ行ってダメならすっぱり諦める

 デパートの紳士服コーナーで働くAさん(40代女性)は、長い間、同じフレーズを使っているという。

「初めてスーツを仕立てる方は必ず採寸をしますが、その時、黙っていると気まずくなってしまうもの。先輩に教えてもらったのが『何かスポーツをやってらっしゃいました?』と、聞く方法です。

 これなら自然と話が弾みますし、『何もやっていない』と返されても、『胸板が厚くてらっしゃるので……』とか『全体的に引き締まっておられるので……』などと答えれば、悪い気はしないようです。

 得意なスポーツを聞き出せば、他の商品の販売に繋げられることもありますし、雑談で距離が縮まれば、再訪なさってくれるかもしれません。私は詳しくないので無理ですが、同僚には腕時計を目ざとく褒める者もいます」(Aさん)

 家電量販店販売員のNさん(30代男性)は、“即断即決型”だ。

「引いてしまう人も多いですが、私はグイグイ行くスタイル。値段重視、メカに強い・弱い、丈夫なのが好き、デザインが大事、操作が簡単など、こだわりポイントを聞き出して、それに応じた商品を3~4個紹介し、それでダメならすっぱり諦めます。

 一人ひとりに丁寧に対応したいのは山々ですが、売り子としては数をこなさないといけないし、“打率”も上げないといけない。年配の方に一生懸命、機能を説明している同僚を見ると、正直『そんな最新タイプより、操作が簡単なタイプを勧めなよ』と思ってしまいます」(Nさん)

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