中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

なぜか買うことになってしまう「とにかく明るい電話営業マン」のテクニック

「できる電話営業マン」は何が違うのか?(イメージ)

「できる電話営業マン」は何が違うのか?(イメージ)

 昨今、電話といえば「人の貴重な時間を奪うツール」として毛嫌いする人もいるが、営業マンにとっては依然として有力なツールのひとつ。電話一本で様々なモノを売る敏腕営業マンもいれば、まったく売れない営業マンもいるだろう。では「できる電話営業マン」は何が違うのだろうか? ここ数年、定期的に電話営業マンから通販商品を買っているというネットニュース編集者の中川淳一郎氏が、「なぜか買うことになってしまう」電話営業マンのテクニックについて考察する。

 * * *
 2年前に新聞広告を見て国産鰻のパウチセットを通販で買ったんですよ。そうしたら数か月後にその通販業者の営業マン・I氏(男性・推定50代後半)から電話が来るようになりました。コテッコテの関西弁でこうまくしたてます。

「中川さん、この前は鰻、買うてくれてありがとうございました! それでね、今度は牛肉が入ってるんよ。シャトーブリアンという超高級な希少部位で、これがズバリ○○円! 普通に買うとこの何倍するか分かりませんよ!」

 ここで私が「Iさん、まだ鰻、残っているんですよ(苦笑)。あれだけ大量に送ってもらったんだから2人家族で食べられるわけないでしょうよ」と言うと「あぁ~、そうやね! ごめんね! また電話しますね!」とすぐに引き下がる。

 そして、そこから数週間後、再び電話が来て「中川さん、鰻、終わりましたか?」と来て終わったと言うと、こう来る。

「この前言ったね、シャトーブリアン、まだありますよ! 滅多に手に入らないよ。スーパーでは売ってないよ、どうですか! お店でシャトーブリアンのステーキ食べたらウチのセットより高いですよ!」

 これには苦笑しながらも、結局買ってしまうのです。なんだかんだいってI氏のこの電話営業術に年間4回やられてしまっている自分がいます。基本的に品質はいいです(一度だけ、そこまでおいしくないものをつかまされましたが……)。これまでの2年間、I氏からの営業電話を受けて同社に対しては一定の信頼感を寄せていますが、一体なぜ私はI氏の電話で買ってしまうのでしょうか。それを考えたところ、以下の理由があるように思います。

【1】紹介する商品を私に合わせてくれている(若干高級な肉・魚類)
【2】関西弁で明るく営業をしてくる
【3】(ノルマがあるとはいえ)商品がいかに素晴らしいかを熱弁する
【4】「お元気でいてくださいね!」や「気に入ってもらってよかったです!」などと言う
【5】忙しい時や、まだ前回の商品が冷凍庫に残っている場合は「ごめんなさいね! また電話しますね!」とすぐに引き下がる

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