中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

なぜか買うことになってしまう「とにかく明るい電話営業マン」のテクニック

筆者が通販で購入した大量の国産鰻のパウチセット。その後、何度も業者から電話がかかってきたが不思議と嫌な感じはしなかった

筆者が通販で購入した大量の国産鰻のパウチセット。その後、何度も業者から電話がかかってきたが不思議と嫌な感じはしなかった

 これ、多分電話が苦手な若者にとっては全部ウザいと思います。しかし、電話でコミュニケーションを取るのに慣れている高齢者にとっては、案外I氏の電話営業スタイルを受け入れられるのではないでしょうか。何しろ最近では電話がかかってくることなどあまりない中で、話し相手にもなってくれるし、徹底的にこちらを立ててくれる。

 1回注文すれば1万円前後の商品を買うことになるものの、年間4回だったら4万円程度。なんだか季節ごとの時候の挨拶のようなものになっている。しかも実際にちゃんとした商品が送られてくるのだから実利はある。テレビショッピングを個人向けにやってもらっているような感覚です。

 全国の営業成績に悩む電話営業の人は、I氏のこのテクニック、一度使ってみるといいかもしれません。関西弁はさすがに無理かもしれませんが、「とにかく明るい電話営業マン」というのは私はI氏しか知りません。もっと言うと、I氏以外の電話営業マンからモノを買ったことがない。それだけ同氏の電話営業力は卓越していると感じられるのです。

 ただ、こちらもある程度、先方の素性がわかっているからこそ受け入れられるわけで、くれぐれも怪しい営業電話には引っかからないよう注意してくださいね。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など。最新刊は『炎上するバカさせるバカ 負のネット言論史』(小学館新書)。

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