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現役生保社員たちが分析 「コロナ保険」「認知症保険」が抱える問題点

最近、新しい種類の生命保険も続々と登場しているが…(イメージ。Getty Images)

最近、新しい種類の生命保険も続々と登場しているが…(イメージ。Getty Images)

 大きなけがや病気だけでなく、いつ認知症やコロナにかからないとも限らない。もしもに備えて保険加入を考えている人は少なくないだろうが、要注意。営業職員に言われるまま契約した生命保険・医療保険では、むしろ損になることもあるという。

 業界事情をよく知る現役生保レディーのA子さん、保険代理店支社長のB男さん、保険代理店を営むC太さん、大手保険会社派遣社員のD美さんの4人に“本音”を聞いた。【全4回の第4回。第1回はこちら

認知症保険は適用要件が厳しい

C太:最近「コロナ保険」とか、「認知症保険」をよく見ますよね。正直、あまり売れてはいませんが。コロナの医療費は全額公的負担だからコロナ保険は不要ですし、民間の介護保険に入っていれば、認知症でなくても、要介護認定を受けると一時金が出ますので、そこを踏まえて検討した方がいいですね。

D美:ふつうの医療保険に入っているなら、わざわざコロナや認知症に特化したものに入るメリットって、ないですよね。

A子:介護保険なら幅広いけど、認知症保険は認知症にならないと保険金がおりませんから。というか、認知症保険が話題になっているんじゃなくて、認知症そのものが話題になっているだけかもしれない。

B男:認知症保険って、保険料が高い割に、「要介護2以上」など、適用要件が厳しいことが多くて、使い勝手がいいとは言い難い。

 私なら、同じ金額で積み立て運用します。シンプルに、貯蓄を増やしておけば、認知症になってもならなくても、老後資金に活用できますから。

A子:100万円が受け取れる認知症保険がありますね。50才女性の場合、保険料は月1182円、仮に85才まで払うと約50万円。「50万円払って100万円もらえる」というとお得な気がしますが、結局50万円しかもらえないんですよ。そもそも認知症にならなければ、払った50万円を損しますが……そのお金を年数分運用した方が、もっとお金が増えるかもしれないし、わざわざ使い道を限定するのは得とは言えませんね。

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