家計

こんなご時世に値下げするスーパー・コンビニの狙い 全店舗で「緊急値下げ宣言」実施のスーパーも

値上げラッシュの中で値下げに踏み切る企業の狙いとは(写真:イメージマート)

値上げラッシュの中で値下げに踏み切る企業の狙いとは(写真:イメージマート)

 リッター200円──帰省に向かう車窓から見えたガソリン代の値上がりぶりに驚いた人も多かっただろう。ウクライナ戦争や記録的な円安などによって、ガソリン代のほか、電気代、食料品代、日用品代など、身の回りのあらゆるものが値上がりしている。

 帝国データバンクが食品メーカー主要195社を対象に行った調査によると、この8月に値上げされた商品の数は1102品目にも及んだ。パック牛乳のほか調味料などの値上げが目立ち、私たち消費者の生活はひっ迫するばかり……だが、こんなご時世であっても、いや、こんなご時世だからこそ、プライスダウンしている企業や商品は少なくないのだ。 消費生活アドバイザーの丸山晴美さんが言う。

「いまは扇風機や冷感シートなど、季節ものの商品の値下げが目立っています。小売店によっては、首を冷やすクールネックリングなどを在庫処分として叩き売りで店頭に並べていることもある。いますぐ使いたいものや、来年の夏も使う予定があるものは、いまが買い時です。

 また、食料品の中でもトマト缶など、保存のきく輸入品は安く売られていることも。大量に輸入して余ったものが値下がりしているのでしょう」

168品目値下げのスーパーも

 それらはあくまでも“在庫処分”だが、企業努力によって売れ筋商品の値下げに踏み切っているスーパーマーケットや飲食店もある。東京・埼玉・千葉に60店舗を擁するスーパー「東武ストア」は、8月1日から31日まで、全店舗で168品目を最大30%値下げする「緊急値下げ宣言!」と題したキャンペーンを実施している。同店広報担当者が語る。

「夏休みは、旅行や帰省など消費活動が活発になる時期。ですが今年はガソリン代などの値上がりが激しく、スーパーとしてなんとかお客さまの家計を支えていきたいという思いで始めました。

 値下げ対象はデイリーフーズや加工食品を中心に、ジュース類やお茶、アルコール、アイスクリームといった夏に需要が高まるものを多くしています。この企画は対象商品を毎月入れ替えながら、年末まで続ける予定です」

 現在実施中の品目のうち、値下げ率32.1%と“最大値”なのが「ダノン アルプロ オーツミルク」。売り上げは昨年比175%にのぼるという。一方、売り上げトップは「伊藤園 お~いお茶 濃い茶」で、値下げ率は12.4%、前年比257%の売れゆきだ。

「今回のキャンペーンは、メーカー各社と交渉して実現しました。その結果、加工食品全体では対象商品の購入の売り上げが231.3%と2倍以上を記録しています」(同店広報担当者)

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