家計

【ネットで賛否両論】「50年ローン」はどんな人に向いているのか? 住宅ローン専門家が活用法と注意点を解説

35年以上のローンを組んでいる人の借り換え

 まず、この50年ローンは借り換えでメリットがあるケースが一定数あると私は考えています。当初から35年以上の住宅ローンを借りている人にとって、金利が低い住信SBIネット銀行に長期のローンが設定されたことで、借り換え先の有力候補になるのです。

 どういうことか解説します。例えば、10年前に50年ローンを組み、返済が10年間経過している以下の人が、住信SBIネット銀行の40年ローンか、auじぶん銀行の35年ローンで借り換える場合を比較して考えてみましょう。

【現在組んでいるローン】
・残期間:40年(50年ローンを10年返済)
・残元本:3000万円
・金利:変動金利0.8% ※金利は一定と仮定
・借り換え諸費用:元本の3%分

 これを住信SBIネット銀行の40年ローン(0.449%)かauじぶん銀行の35年ローン(0.298%)に借り換えるとどうなるか。住信SBIネット銀行に借り換える場合、返済期間は現在の住宅ローンの残期間と同じ40年にできます。一方、auじぶん銀行では35年までしか借りられないため、返済期間は35年と5年分短縮されてしまいます。

 現在のローンのまま継続した場合、住信SBIネット銀行に借り換えた場合、auじぶん銀行に借り換えた場合の3パターンの毎月返済額と完済までの金利総額は次の表のとおりです。

10年経過した50年ローンを借り換えた場合と、借り換えない場合を比較

10年経過した50年ローンを借り換えた場合と、借り換えない場合を比較

 現在の毎月返済額は現在7.3万円ですが、住信SBIネット銀行に借り換えれば7.0万円と負担が軽くなります。一方、auじぶん銀行に借り換えた場合は返済期間の短縮によって毎月の元本返済額が多くなるため、7.7万円と負担増になります。

 一方、完済までの金利総額は、現在のローンのままだと507万円。住信SBIネット銀行に借り換えた場合は376万円で、131万円負担が軽くなります。auじぶん銀行に借り換えた場合は、返済期間の短縮と低金利の効果で、254万円と金利総額が約半分になります。

 住信SBIネット銀行への借り換えでは、毎月返済額と金利総額の両方が軽くなることがポイントです。これまでは、現在借りている住宅ローンの金利が高いと思っていても、返済期間が35年に短縮されることで毎月返済額が増えてしまうため、借り換えに踏み切れなかった人もいるでしょう。そのような人にとって、毎月返済額と金利総額の両方を減らす「両取り」ができる住信SBIネット銀行の50年ローンは大きな選択肢となるでしょう。

新規借入では慎重な物件選びが重要に

 続いて新規借入で利用する場合を考えていきましょう。

 冒頭にも書きましたが、ネットでは50年ローンを組むことに拒否感を示す反応も多かったように思います。返済期間が人生の残り時間の大半を占めるわけですから、一生借金を背負い続ける……といったネガティブな感情になるのも確かにわかります。ですが、ここは感情と理性はきっちり分けて判断するべきところでしょう。

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