家計

【ネットで賛否両論】「50年ローン」はどんな人に向いているのか? 住宅ローン専門家が活用法と注意点を解説

大手ネット銀行から登場した「50年ローン」。借りられる年齢は29歳まで(写真:イメージマート)

大手ネット銀行から登場した「50年ローン」。借りられる年齢は29歳まで(写真:イメージマート)

 大手ネット銀行の住信SBIネット銀行が、「最長50年の住宅ローン」を提供することを発表し、大きな話題を呼んでいる。通常の長期ローンといえば「35年ローン」をイメージする人も多いだろうが、それをさらに超える超長期ローンだ。このローンを活用する場合、どういった使い方が考えられるか。住宅ローンアナリストの塩澤崇氏が、シミュレーションとともに解説する。

 * * *
 8月4日、大手ネット銀行の住信SBIネット銀行が最長50年の住宅ローンを提供開始すると発表しました。ニュースでさかんに報道されたのでご存じの人も多いかもしれません。35年を超える住宅ローンは一部の地方銀行が商品化していましたが、大手ネット銀行では初となります。

 より長期の住宅ローン商品が誕生した一因には住宅価格の上昇があり、ネットでは「50年もの長期間の住宅ローンを組んでも大丈夫なのか?」と心配する反応もあります。そこで今回は、この50年ローンの仕組みを分析したうえで、借り換え・新規借入での利用例とその場合の注意点を解説したいと思います。

最長50年で借りられるのは29歳までの人

 今回登場した50年ローンには、金利・年齢に条件があります。

・金利:35年超~50年の場合、35年までの借入時と比べて金利が+0.15%上乗せ
・年齢:満18歳以上満65歳以下で、完済時満80歳未満

 金利は35年までのローンに比べて0.15%上乗せされます。新規借入なら35年が0.32%で50年が0.47%、借り換えなら35年が0.299%で50年が0.449%となります。また、年齢は完済時80歳未満(つまり79歳まで)という条件が付されています。

 新規借入と借り換えの場合で、変動金利と年齢ごとの最長の借入期間は次の表のようになります。50年間借りられるのは18~29歳の人だけで、45歳以上の人はそもそも35年間よりも短い期間しか借りられません。

住信SBIネット銀行の35年ローンと50年ローンの金利比較

住信SBIネット銀行の35年ローンと50年ローンの金利比較

各年齢での最長借入期間

各年齢での最長借入期間

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。