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【18歳以下に月5000円給付】小池都知事が打ち出す東京都独自の少子化対策、看板倒れの岸田政権「異次元の少子化対策」に変革を迫れるか

東京都独自の少子化対策「018サポート」への評価は?(小池百合子都知事。時事通信フォト)

東京都独自の少子化対策「018サポート」への評価は?(小池百合子都知事。時事通信フォト)

 東京都が少子化対策として18歳以下の都民に1人あたり月5000円を給付する「018サポート」の申請受付が9月1日から始まった。申請用のサイトはアクセス集中でつながりにくい状態が続くなど、注目度は高い。一方、岸田政権も「異次元の少子化対策」と銘打って児童手当の拡充などを打ち出してきたが、その内容に“看板倒れ”との批判は多い。国と都がそれぞれ進める少子化対策について、どのように評価すればいいのか。

 今回の東京都の少子化対策について、子育て世帯からは「所得制限なしはありがたいが、物価の高い都会暮らしで月5000円がどこまで助けになるか……」(小学生の子がいる40代男性)といった反応がある一方で、独身者からは「少子化対策が重要なのはわかるけど、国だけじゃなく東京都からも給付があるという話を聞くと、子育て世帯ばかりに配分が偏っているように感じられる」(30代独身男性)といった声も漏れ聞こえる。

 国の少子化対策とはちぐはぐに、東京都が少子化対策を打ち出す――これは好手なのか、悪手なのか。「国の上を行くような尖がった政策を打ち出すのが小池(百合子・都知事)流のはずですが、今回は官僚的なやり方に止まっていて、国の上を行く異次元の政策になっていない」と語るのは、法政大学の小黒一正・経済学部教授だ。

「これは国の政策にも言えることですが、一言で少子化対策と言っても、出産育児一時金の増額ように『出生数に直接はたらきかける政策』と、児童手当や学童保育支援といった『出産後の子育て支援を行なう政策』の二つに分けられます。

 出生数が年80万人を割って、これからさらに加速度的に下がっていくリスクが指摘されている今、重点的にやっていくべきは前者(出生数へのはたらきかけ)なのに、都の給付は出生時にあたる0歳から高校生になった18歳まで同じように年額6万円を配るというものです。年齢を重ねた子にも給付することで“お金を薄く広く配る”ことになり、今、子供を産み育てるかどうかを悩んでいる夫婦の背中を押すのにはインパクトが薄い」

 たしかに、子育て世帯の声を聞いても、都内で2人の子供を育てる40代男性は「3人目がほしいという気持ちはないわけではないし、そういう話を妻とすることもある。でも、国の出産育児一時金(2023年4月までは42万円)が50万円に増額されたとか、都から年間6万円のお金がもらえるといわれても、それで“じゃあ3人目を”となるかというと、ちょっとピンとこない」と話した。

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