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いじめ、事故、停学・退学処分、体罰…学校トラブルの弁護士への相談が増加 複雑な事情が絡む学校現場での「落としどころ」

実際の学校現場では何を「落としどころ」としているのか(イメージ)

実際の学校現場では何を「落としどころ」としているのか(イメージ)

 教員たちが労働過多で余裕がないなか、学校で起きた問題を、弁護士が解決に乗り出す事例が増えている。教育委員会や教員が校内で起きた問題を弁護士に相談する「スクールロイヤー」制度は、多くの自治体で導入されるようになった。

 群馬県の前橋市教育委員会は全国に先駆けて2020年に運用を開始した。

「現在、4人の弁護士がスクールロイヤーとして登録し、市内71の学校・幼稚園を担当し、さまざまな相談を受けています。その内容はいじめ、保護者からの各種相談対応、虐待など多岐にわたります」(前橋市教育委員会教育支援課青少年支援センター所長の横澤信一さん)

 教員や行政、自治体がスクールロイヤーを頼る一方で、保護者が個人的に弁護士事務所に相談する事例も増えている。ベリーベスト法律事務所の弁護士で、いじめや体罰など学校で起きた問題を相談する保護者の窓口となっている「学校問題専門チーム」に所属する米澤弘文さんが話す。

「スクールロイヤーは依頼者が学校や教員であるのに対して、私たちは保護者側から、子供の目線に立った立場で相談を受けています。 実際に学校問題に悩む親子の数は少なくなく、今年5月に学校問題の専門チームを立ち上げたばかりですが、1か月あたり100件ほどの相談をいただいています。内容はいじめ、学校事故、退学や停学処分に関する相談、体罰など不適切指導への対応の4つが中心になります」

 とはいえ、いじめの相談ひとつとってもその内容は多種多様だ。米澤さんが続ける。

「悪口や陰口を言われたという事例から、ひどいいじめにより通学できないほどの状態になっているようなケースまでさまざまです。いじめによる不登校で何か月も経過し、学校と話し合っても一向に進まないという深刻な悩みを抱える親子もいる。

 体罰の境界線もケースバイケースで、教師の手が出たものはもちろんですが、『グラウンドを5周させる』という指導も運動部であれば適切と判断されることもある一方、そうでない生徒に“罰として”指導したら体罰にあたる可能性がある。さまざまな要素が複雑に絡み合っているのが学校問題なのです」

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