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【配偶者が亡くなる前にやるべき手続きと準備】銀行口座、不動産、各種契約など要チェックリスト

夫婦どちらかが亡くなる前にやっておくべき手続き・準備12【その2】

夫婦どちらかが亡くなる前にやっておくべき手続き・準備12【その2】

負動産を残さない

 最大の資産である不動産も生前から整理を進めたい。まず確認したいのが「名義」だ。ファイナンシャルプランナーで行政書士の柘植輝氏が語る。

「何十年も前に、夫が誰も住んでいない不動産を相続していたことを妻が把握しておらず、夫が亡くなってから、夫の兄弟との『共有名義』になっていたことを知るという事例がありました。この状態になると、その不動産は所有者全員が同意しないと現実的には売買が難しく、所有者同士でトラブルになります。また、固定資産税の負担や相続税の問題も生じて、残された妻が義理の兄弟との関係に四苦八苦するケースも想定されます。

 そのため夫が共有名義の不動産を持っている場合、兄弟に買い取ってもらうなど、生前に対策を進めておくべきです」

 不動産の名義は登記簿を取れば確認できる。その際は、隣の家との境界などもチェックする。

「古い土地だと境界線が曖昧だったり、登記簿上と実際の土地で広さが異なっていることがあります。確認のうえ、もしそうしたケースに該当しているなら、隣家と話し合うなどトラブルの芽を早めに摘むことが大切です。不動産に担保がついてないかも確認しましょう。

 空き家になっているような土地であれば処分も含めた整理を進めたい。二束三文の価値しかなかったり住まいから遠方にあったりすると、相続する人が困ってしまいます。廃屋だと崩落などのリスクもあり、近隣住宅に損傷を与えると、放置していた妻が損害賠償責任を問われかねません。価値のない土地や建物は早めに整理しておき、残される人に迷惑をかけないよう心掛けてほしい」(柘植氏)

 来年4月からは、所有者不明の土地が増加している問題に対処するため、「相続登記の申請の義務化」が施行される。これまで任意だった相続登記が義務化され、不動産の名義変更の手続きをしなければ、10万円以下の過料(行政上の罰)が科せられる可能性がある。妻を面倒な事態に巻き込まないためにも、“負動産”は早めに処分しておこう。

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