投資

「ポスト・アベノミクス相場」では割安圏の安定成長株を狙い撃て

公開時に株価低迷したIPO銘柄に注目

ひふみ投信でも、下落相場のなかで、一見地味でも確実な成長が見込める割安な安定成長株や、公開時に株価が振るわなかったIPO(新規上場)銘柄などを新たに組み入れたり、買い増したりしている。

組み入れ上位の銘柄を紹介すると、たとえば1位のあい ホールディングス(東証1部・3076)は、佐々木秀吉会長兼CEO(最高経営責任者)がリストラをしないM&Aで事業を拡大。防犯カメラシステム運営や屋外広告用のカッティング機器など一見地味に映るが、各分野で業界首位となっており、業績も堅調に推移。景気や相場動向の影響を受けにくいディフェンシブ銘柄といえる。

2位のエンプラス(東証1部・6961)も、精密プラスチック加工では首位で、携帯電話用のプラスチックレンズなどに強みを持ち、収益性の高いビジネスを展開している。

人材関連では、業界2位のテンプホールディングス(東証1部・2181)がまさにテーマ性を持ちつつ割安圏にある安定成長株といえる。インテリジェンスの人材紹介部門を買収するなど傘下で人材ビジネスを拡大しており、増収増益基調にあるのも魅力的だ。

建設関連では、足場などの仮設機材の販売・レンタル大手のエスアールジータカミヤ(東証2部・2445)に注目。太陽光発電など環境関連分野を強化しているのも好材料といえる。

なお10位以内ではないが、いずれも3月に上場したばかりの中小型液晶世界最大手のジャパンディスプレイ(東証1部・6740)、介護用ロボットスーツを開発するCYBERDYNE(東証マザーズ・7779)も、今後有望と見て組み入れている。
先行きを案じる声が根強いが、企業業績は決して悪くないと見ている。おそらく年末には日経平均株価が1万6000円より上に行っていて、「今年1年を通してみると意外と悪くなかった」となるだろう。混迷続きの相場では、業績などをきちんと分析した銘柄選別が勝負の分かれ目となる。日々の値動きにあまり左右されず、将来を見据えてドンと構えていられる人なら、十分勝てるはずだ。

藤野英人氏が運用する「ひふみ投信」の組み入れ上位10銘柄と選定理由(4月末時点)

 

組み入れ順位 企業名
(市場・証券コード)
選定理由
1位 あい ホールディングス
(東証1部・3076)
防犯カメラシステム運営や屋外広告・看板用のカッティング機器などの情報機器で業界首位。カード発行機や耐震構造設計も手がける。
2位 エンプラス
(東証1部・6961)
精密プラスチック加工首位。携帯電話用のプラスチックレンズなどに強みを持ち、特に高級品分野で伸びる可能性があり、収益性は高い。
3位 エスアールジータカミヤ
(東証1部・2445)
足場など仮設機材の販売・レンタル大手で、震災復興や東京五輪による建設需要の高まりに期待。太陽光発電など環境関連分野も強化している。
4位 VTホールディングス
(ジャスダック・7593)
ホンダや日産など幅広いメーカーを扱うディーラー。収益の約40%を点検・修理などのサービスが占めるなど収益基盤が手堅いのが強み。
5位 テンプホールディングス
(東証1部・2181)
人材業界2位で、傘下にテンプスタッフやインテリジェンスなどを抱える持ち株会社。成長戦略の目玉でもある人材流動化関連として注目。
6位 共立メンテナンス
(東証1部・9616)
学校や企業の寮を運営するほか、ビジネスホテル「ドーミーイン」を全国展開。インフレによる保有資産の増加や外国人観光客増が追い風。
7位 リロ・ホールディング
(東証1部・8876)
社宅の管理や転勤者の留守宅管理など企業の福利厚生のアウトソーシングを総合的にサポート。増収増益が続き、業績も好調に推移。
8位 トランコム
(東証1部・9058)
東名阪を軸に物流センターの構築運営や物流情報サービス、生産請負事業などを手がける。eコマースの市場規模拡大に期待。
9位 楽天
(東証1部・4755)
ネット通販を柱に証券や銀行といった金融から旅行など幅広く展開。eコマース関連の代表格のひとつで、株価は割安感が高まっている。
10位 日本農薬
(東証1部・4997)
日本初の農薬専業メーカーで業界最大手。自社開発品で国内はもとより海外展開も行なっており、TPP(環太平洋経済連携協定)の追い風期待。

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【PROFILE】
藤野英人 レオス・キャピタルワークス 取締役・最高投資責任者(CIO)
1966年生まれ。国内外の運用会社でファンドマネージャーとして活躍。22年間でのべ5700社以上を取材し、1999年には500億円を2800億円まで殖やし「伝説のカリスマファンドマネージャー」と謳われる。現在は、「ひふみ投信」を運用中。

※「マネーポスト」2014年夏号に掲載

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