吉田みく「誰にだって言い分があります」

「お小遣いの範囲ならいいでしょ?」 夫に反対されても「貧困系YouTuber」に投げ銭する主婦の“推し活の価値観”

自宅に居ながらにして多様な「推し活」が可能となった(イメージ)

自宅に居ながらにして多様な「推し活」が可能となった(イメージ)

「いい趣味が見つかってよかったんじゃない?」

 Aさんのスタンスを尊敬しているというヒロコさんは、その想いを伝えたくて食品の詰め合わせをプレゼントとして送ったそうだ。

「いつも私をポジティブな気持ちにさせてくれることへの感謝の気持ちを伝えたいと思い、人生で初めてAmazonの『ほしいものリスト』からプレゼントを送りました。そしたら、Aさんはプレゼントが届くと動画内で紹介してくれて、『視聴者さん! ありがとうございます!』とお礼まで言ってくれたんです。なんだかグッと距離が縮まったと感じてしまいました」

 その後も、ライブ配信で100円ほどの投げ銭や500〜1000円程度のプレゼントを送ったと話すヒロコさん。その度に「いつもありがとうございます!」と喜んでくれるという。しかしこの行動に対して50代のヒロコさんの夫は良い顔をしなかったそうだ。

「『見ず知らずの人を支援するくらいなら、子供の学費に回してほしい』と怒られてしまいました。ですが、私のお小遣いの範囲で行っていることですし、月3000円ほどの出費です。なぜここまで怒られて否定されないといけないのか分かりません」

 一方、高校生の息子はヒロコさんの行為を否定せず、むしろプラスに捉えてくれたという。

「『いい趣味が見つかってよかったんじゃない?』と言ってくれました。『ほしいものリストとか投げ銭って、今はよくあることだしね』と肯定的に捉えてくれたのが嬉しかったです。この先、子どもがチャレンジしたいことなどがあったら積極的に応援してあげたいと思いました」

 現在もAさんの配信動画を毎日の楽しみにしているヒロコさん。今後は、名前を覚えてもらえるようになりたいと話していた。

 応援したいと思う相手に気軽に「投げ銭」やプレゼントを送ることができるのは、SNSならではのメリットだ。しかし、なかには“推し”にハマるあまり、身の丈以上のお金を注ぎ込んでしまったという人の話も聞く。ヒロコさんのようにお小遣いの範囲でなら構わないだろうが、額の多寡にかかわらず、夫が反対することも容易に想像できる。人によって異なる推し活の価値観を理解してもらうのは、家族といえども難しいかもしれない。

【プロフィール】
吉田みく(よしだ・みく)/埼玉県生まれ。大学では貧困や福祉などの社会問題を学び、現在はフリーライターとして人間関係に独自の視点で切り込んでいる。マネーポストWEBにてコラム「誰にだって言い分があります」を連載中。同連載をまとめた著書『誰にだって言い分があります』(小学館新書)が発売中。

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