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【介護現場の負担を軽減】1970年大阪万博を沸かせた「人間洗濯機」が令和に復活 会社消滅から12年、元三洋電機社員たちも奮闘

サイエンス社が開発を進める「ミライ人間洗濯機」イメージ(同社提供)

サイエンス社が開発を進める「ミライ人間洗濯機」イメージ(同社提供)

歴史は受け継がれている

 1970年大阪万博の「人間洗濯機」は「こんな未来が来るのか」と多くの日本人に衝撃を与えた。

 その1人が細かい泡で汚れを洗い落とすシャワーヘッド「ミラブル」で有名なサイエンス社の青山恭明会長だ。幼少期に万博を訪れ影響を受けた青山会長率いるサイエンス社は2025年万博で「ミライ人間洗濯機」を出展する。こちらは従来の人間洗濯機に近いフォルムにAIを搭載して進化させる構想だ。歴史は連綿と受け継がれている。

 11月16日、シリウスの亀井社長はスイトル・ボディの試作機を携え、大阪市内にある井植敏氏の事務所を訪ねた。91歳の敏氏は三洋電機を離れた後も高齢者の健康促進につながる「腰掛タップダンス」の普及活動などで忙しくしている。令和版「人間洗濯機」の説明を受けた敏氏は亀井氏にこう言った。

「元三洋の人間が活躍してくれるのが何より嬉しい。これは素晴らしい製品やから、まずは日本とアジア。そこで成功したら世界を目指してほしい」

 1000回充電できる「エネループ」、お米でパンが焼けるベーカリー器「ゴパン」など、消費者を驚かせる三洋魂は、しぶとく生き残っている。

レポート/大西康之(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2023年12月22日号

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