2023年後半の米国の株式相場は利下げ期待から株価が急上昇した。そして2024年内には利下げも予想されており、期待は高まる一方で、過熱感も懸念されている。個人投資家・投資系YouTuberの森口亮さんによる、シリーズ「まるわかり市況分析」。森口さんが過去の事例を踏まえ、利下げ時の株価動向について解説する。
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2024年の相場がスタートしました。2023年の米国株式相場は、利下げ期待から年後半に株価が急上昇しました。現在、市場の焦点は「いつ利下げが始まるか?」ということです。まだ利下げが実施されていないにもかかわらず、NYダウは史上最高値を連日記録し、短期的な過熱感が懸念されていました。
そこで今回は、米国の過去の利下げ時の株価動向について調査し、解説していきたいと思います。
利下げ時に株価はどう動くのか?
今回の利下げ時期については、利下げが行われた月をスタートとし、次の利上げが始まるまでの間の最低金利に到達するまでの期間を指します。2000年以降の場合、合計3回の利下げが行われ、その間のS&P500の推移は以下のようになっています。
・1回目は2001年1月(6.5%→6%に利下げ)から2003年6月(1%)までの期間で、株価はその間に26.19%下落しました。
・2回目は2007年9月(5.25%→4.75%に利下げ)から2008年12月(0.25%)までの期間で、株価はその間に37.82%下落しました。
・3回目は2019年7月(2.5%→2.25%に利下げ)から2020年3月(0.25%)までの期間で、株価はその間に13.28%下落しました。
つまり、これら3回の期間中、S&P500の株価はすべて大幅なマイナスとなったのです。