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毎月6億円を動かす「87歳現役トレーダー」の日常に密着 「デイトレードは究極の『脳トレ』、認知症予防にもなって一石二鳥」

投資歴68年、資産18億円を築いた藤本茂さん

投資歴68年、資産18億円を築いた藤本茂さん

 米寿を前に毎月6億円を動かすスーパートレーダーは「株は究極のボケ防止」と笑った。“日本のバフェット”と呼ばれる個人投資家の日常は、お金を増やすだけでなく、健康維持の参考にもなる──。【前後編の前編。後編を読む

 午前2時、神戸市内のマンションの一室に明かりが灯る。ストレッチで体をほぐし、コーヒーを淹れ、テレビに「日経CNBC(マーケット・経済ニュース専門チャンネル)」が流れると、長い一日が始まった。

 3台のパソコンを駆使し、絶えず米国市場の動向や日本経済新聞をチェック。午前9時から午後3時までは常時80銘柄ほどに目を光らせ、売買を繰り返す──。

 藤本茂さん、87歳。現役の専業投資家だ。

 株式投資で資産18億円を築いた茂さんは、初の著書『87歳、現役トレーダー シゲルさんの教え』(ダイヤモンド社)で、68年に及ぶ投資歴の成功と失敗の経験、自身の投資術を余すことなく綴った。

 茂さんは、「二・二六事件」が起きた1936年、兵庫県の農家に生まれた。高校卒業後にペットショップに就職。客だった証券会社の役員から話を聞き、19歳の時に投資を始めた。その後、雀荘を3店舗経営しながら株式投資に打ち込み、1986年に専業投資家に転じた。

「その直後にバブル景気が始まった。1989年末に日経平均株価が過去最高値を記録すると、私の資産もうなぎ上りに増え、バブル絶頂期には10億円ほどまで膨らみました」(茂さん、以下「」内同)

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