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「年収1億円サラリーマンも珍しくない」 元機関投資家トレーダーが明かす給料事情、地場証券と上場証券で大きな違いも

機関投資家トレーダーの給与体系は?(写真:イメージマート)

機関投資家トレーダーの給与体系は?(写真:イメージマート)

 投資の世界で勝ち続けることが難しいのは誰もがよくわかる。そうしたなか、証券会社の自己売買部門トレーダーで10年、個人投資家としても10年、トレードだけで生計を立て続けてきたのが、元機関投資家トレーダーの堀江氏だ。新刊『メガ盛「株ドリル」』も話題の堀江氏が、熾烈な競争に晒される機関投資家トレーダーの仕事内容とその給料事情について明かす。

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 私は証券会社の自己勘定取引トレーダーを10年間務め、その後、個人投資家になって10年目を迎えました。自己勘定取引とは、金融機関が自己資金で相場を張って利益を獲得しようとすることで、その取引を行なうトレーダーを「プロップトレーダー」と呼びます。

 証券会社は昔から「数字が人格」と呼ばれる業界で、なかでも自己勘定取引は儲けることがミッションですから、儲けられないトレーダーは簡単にクビになってしまう仕事です。

 実績次第で周囲の評価もガラリと変わる。たとえば、私が新人のプロップトレーダーだった頃、会社のエレベーター前で役員に挨拶をしたら無視されたことがありました。ところが、私が経験を積み自己勘定取引で社内でも上位の成績をあげられるようになると、その役員から私の方に寄ってきて急に肩を組んで「堀江ちゃ~ん、あの取引見てたよ! 凄かったね! なんであんなことできる? これからも頑張って!」と手のひら返しがすごかった。

 もともと私は地場の証券会社でプロップトレーダーの仕事をスタートさせ、2008年のリーマンショック後にもっと大きな上場証券会社のプロップトレーダーにキャリアアップしました。業務内容は自己勘定取引で同じですが、両社の大きな違いは、地場の証券会社は資金力で上場証券に劣っているため、売買の規模がどうしても小さくなってしまうことです。

 具体的には、地場の証券会社はデイトレード中心ですが、上場証券はデイトレードだけでなくオーバーナイト取引、つまりポジションを翌日に持ち越す取引もできます。また、以下のように、会社の規模によってトレーダーが取引できる金額も異なります。

●地場の証券会社の取引規模(実績によって大きく異なる)
ポジション限度額:5億円
1か月間ノルマ:130万円
1日当たりロスカット:350万円
売買停止(1か月間):700万円

●上場証券の取引規模(実績によって大きく異なる)
ポジション限度額:(デイトレ)12億円/(オーバーナイト)8億円
1か月間ノルマ:1250万円
1日当たりロスカット:1250万円
売買停止(1か月間):2000万円

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