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現場仕事のサラリーマンが骨折したら治療期間中の仕事やお金はどうなるのか? 骨折フリーライターが当事者に話を聞いた

労災保険の申請手続きと手厚い補償内容

労災保険の申請手続きはどのようなものだったのか。

「申請方法は各種状況別に指定された様式の書類に申請者とその所属会社がそれぞれ必要事項を記入して、所属会社の所在地を管轄する労働基準監督署に提出するだけです。労災が認められた場合の補償内容ですが、ハッキリ言ってかなり手厚い補償で正直驚きます。医療費については入院時のアメニティや差額ベッド代など、ごく一部対象外のものを除いて全額補償のため、治療費は自己負担ほぼゼロでした」

 ちなみに、休業補償についても手厚いとのこと。大雑把にいえば、直近3か月の平均月収から日給を計算して、その約8割が休んだ日数分支給されるのだとか。さらに、この給付は非課税のため、手取りベースでは給料満額支給のようなものになるといいます。A氏はこの状況についてこう語ります。

「これは公に言うようなことではないかもしれませんが、休業補償がこのような感じなので、仮に『内勤等で半日だけ出勤可能』というような場合でも『ヘタに半日分の給料をもらうより、いっそ休んで休業補償を貰ったほうが得』というような状況です」

なお、労災保険の適用期間については、担当医から「治療継続中、就業困難」との診断が出ている間はずっと続くそうです。ただし、ケガの状況等に応じて1~2年程度が限度で「症状固定」という扱いになり、それ以降は「後遺障害認定」を受けることになります。A氏はすでに職場に復帰していますが、現場に出るような仕事であっても正社員であれば意外と手厚く守られるんだな、セーフティネットはあるんだな、とフリーランスの私は感じ入りました。

しかしながら、人は仕事を通じてコミュニケーションをとりながら成長をするわけで、いくら生活費は労災から出るといっても、「体が資本」「健康第一」が何より大切だな、と今はつくづく感じています。

【プロフィール】
中川淳一郎(なかがわ・じゅんいちろう):1973年生まれ。ネットニュース編集者、ライター。一橋大学卒業後、大手広告会社に入社。企業のPR業務などに携わり2001年に退社。その後は多くのニュースサイトにネットニュース編集者として関わり、2020年8月をもってセミリタイア。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書)、『縁の切り方』(小学館新書)など多数。最新刊は『日本をダサくした「空気」』(徳間書店)。

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