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【60代の年金戦略と働き方】橘玲さん、寺田理恵子さん、和田秀樹さんのケース 「80才までは働くつもり」「年金額のために仕事を減らすのは間違っている」

元フジテレビアナで現在はフリーで活躍する寺田理恵子さん

元フジテレビアナで現在はフリーで活躍する寺田理恵子さん

 老後の暮らしの頼みの綱である「年金」は、金額も受け取り方も千差万別。第一線で活躍する著名人に「本音の年金対策」を直撃した。

橘玲さん:長く働き続けることが究極の老後対策

金融・人生設計に関する著書を数多く持つベストセラー作家の橘玲さん

金融・人生設計に関する著書を数多く持つベストセラー作家の橘玲さん

 金融・人生設計に関する著書を数多く持つベストセラー作家の橘玲さん(65才)は「70才まで繰り下げ」を検討中だという。

「1か月繰り下げると0.7%増額ということは、年率換算で8.4%の高利回りですから、現在の低金利からすると圧倒的に有利です。とはいえ平均余命から考えると、生涯の年金額(期待値)が最大になるのは70才で、それ以上繰り下げると実質利回りはほぼゼロになってしまいます。

 私は『特別支給の老齢厚生年金【※注】』の対象になる世代で、63才から厚生年金の一部と企業年金を受給でき、現在は合わせて隔月で11万円ほどになります。65才から年金を繰り下げる場合、厚生年金は請求をしなければいいのですが、企業年金は繰り下げ希望を伝えなくてはならないようで、なんとも面倒です。

【※注/昭和60年に厚生年金の受給開始年齢が60才から65才に引き上げられた際にできた特別措置。男性は昭和36年4月1日以前、女性は昭和41年4月1日以前に生まれた人は、65才を待たずに特別支給分の厚生年金を受給できる】

 会社を辞めてからは国民年金基金に入っています。当時は年3%ほどで運用できたので“お宝年金”とも呼ばれていました。

『新NISA』は、前身である『つみたてNISA』の頃からやっています。掛け金も控除され、退職所得控除や公的年金控除も使えるiDeCo(個人型確定拠出年金)もありますが、新NISAは譲渡益が全額非課税で、投資限度額が大幅に拡充されたので、長期で運用するならこちらの方が有利でしょう。

 老後不安の正体は老後が長すぎることなので、長く働いて老後を短くすれば不安は解消されます。私はいまのところ80才までは働くつもりです。やはり人間は働いていないと人間関係が希薄になる。何才になっても働けるのは幸せなことです」

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