「落ちこぼれだったから」とも言いにくい
IT企業勤務の20代女性・Cさんは、東大合格者が2ケタ、私立では早慶それぞれの合格数が2ケタから3ケタを誇る私立の中高一貫校出身。本人曰く“練習台”のつもりだった立教大学に進学した。
「私は中学入学までは良かったんですが、その後勉強が大嫌いなことに気付いてしまい……。早々に落ちこぼれて、ほぼ学年最下層でした。大学受験では、勉強は嫌いだけど浪人もしたくなかったので、片っ端から私立を受験。早慶に行けると思ってたんですけど全部落ちて、練習のつもりで受験し、唯一受かった立教に進学しました。
出身高校名を自分から言うことはないのですが、聞かれる場面はどうしてもあって、すると『珍しくない?』とか、『もっといい大学行けたよね?』とよく言われます。でも、第一志望の人もいるわけですから、『落ちこぼれだったから』と本当のことも言いづらいじゃないですか。だから、『キャンパスに憧れた』『オシャレっぽいと思って』などと言ってごまかしていました。本当、みんな出身校の話好きだなというか……面倒でしたね」
その後社会人になったCさんは、「出身高校も含めて、学歴は一生ついてまわる」と痛感し、意識を変えたという。
「結局、何と言われようと卒業した学校は変わらない。高校在学中は、東大も早慶も当たり前、みたいな雰囲気の周囲のなかで、『なんでこんな高校に自分がいるんだろう』と思っていましたし、『他の学校なら生きやすかったのかな』と思うこともしょっちゅうでしたが、今となっては、学生生活自体は楽しかったし、受験に直接役立たなくても、得たものはあったと思います。
今は、もし何かで出身校がバレても、“あいつはさすが○○高出身だな”と思ってもらえるように、自分が選んだ道を正解にする人生にするしかないと思っています」(Cさん)(了)