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《FPが指南する保険の見直し術》老後の保障は「共済だけで十分」か 特徴は“シンプルな保証内容”と“手頃な掛け金”

同じ50代でも会社員と自営業者では事情が変わる

 年齢や家族構成、仕事別に民間保険を解約して共済に加入した場合をシミュレーションした。

 まず今年55歳になった会社員Aさんのケース。

 万が一のために40代前半で生命・医療保険に加入し、死亡保障2000万円にがん保障特約も付けた。だが月3万円超の保険料が大きな負担に。妻はパート勤めをするものの、家計はAさんの収入に頼っている状況だ。横川氏が指摘する。

「仮にAさんが急死しても、700万円の預貯金と遺族年金等で、当面の生活費や子供の学費はまかなえるでしょう。現在の保障内容は手厚すぎると言えます。病気死亡時800万円、入院時1万円(日額)などの保障がある『都道府県民共済総合保障4型』への切り替えが選択肢になると思います」

 その場合の掛け金は月約2560円(割戻後)。保障内容は薄くなるものの、現在の保険に比べ年間最大約34万円の出費減となる。

 同じく50代会社員Bさん(53)は、20代で10年更新型の定期保険に加入。50歳になり月の保険料が1万8000円から3万円超になることを知り、愕然とした。

「定期更新型の保険商品によくあるケース。高齢になるほど急激に保険料が上がり、家計を圧迫することがあります。ただ、Bさんは独身なので大きな死亡保障は必要ないでしょう。御親族に葬儀代などを遺したいと考えるなら、死亡保障が400万円ある全労災の『こくみん共済』の保障で十分だと思います」(横川氏)

 同じ50代でも、会社員と自営業者では少し事情が変わる。

 飲食店を経営するCさん(58)は 、病気やケガの際も傷病手当金が給付されず、遺族年金など死亡後の社会保障が会社員に比べ手薄なことに悩んでいた。そこで、30代後半から死亡保障1500万円と各種特約を含む月2万円の生命保険に入ったが、飲食需要減でその捻出も厳しくなった。

 支払い・保障ともに60歳までの定期保険なので、この機会に解約し、割安な別の保険に入ることも考えているという。横川氏が助言する。

「奥様が会社員、お子さんも間もなく独立されるので、割高な保険に入り続ける必要はないでしょう。ただ自営業なので、病気やケガによる休業等を考慮することは必要。都道府県民共済の『総合保障2型』(月2000円)をベースに考えたい。月1000円の特約追加で、入院時2万円の一時金、諸条件はありますが退院後も4万円の『在宅療養共済金』が受け取れるので、検討の価値はある」

 後編記事では、年金生活が視野に入る60代のケースと、共済に切り替える場合の注意点について解説する。(後編につづく)


図解つき全文一気読み:「定年後は保険をやめて共済でいい!」年齢、家族構成、収入別の切り替えシミュレーション “老後保障の達人”FPが指南する保険の見直し術

※週刊ポスト2024年11月1日号

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