街中で目にする機会が増えた中古のファッションリユースショップ。矢野経済研究所の調査によると、2023年の国内ファッションリユース(中古)市場の規模は、小売金額ベースで1兆1500億円(前年比113.9%)にのぼるという。SDGsやサステナブルに対する社会的な関心が高まっていることに加え、古着ブームやフリマアプリの普及、物価高などが市場拡大を後押ししていると見られる。
実際にZ世代のファッション好き男性に話を聞くと、「定価で服を揃えることはない」「リユースショップを活用する方がおしゃれ上級者」と口を揃える。彼らのリアルな買い物事情とは。
古着屋のアメカジが高騰するなか…
都内の私立大学に通う男性・Aさん(21歳)は、90年代のアメカジを愛する古着愛好家だ。居酒屋でアルバイトをしながら給与のほとんどをファッションにつぎ込んでいるというが、最近はもっぱらリユースショップで買い物しているという。
「今は空前の古着ブームで、下北沢の古着屋などは昨年に比べても値付けがかなり強気になっています。円安や海外での買い付けが値上がりしているので仕方ないですが、やっぱり学生には手が出しづらくなっていますね。僕の場合は父親も古着好きで、ヴィンテージを集めたりしているのですが、『昔、俺が7000円で買ったワークブランドのジャケットが今では2万5000円だもんなぁ』と嘆いています。
そういう状況で、やっぱり学生に嬉しいのはトレファク(トレジャーファクトリー)やセカスト(セカンドストリート)、ブックオフといったリユースショップです。授業の帰りに友達と『ブックオフ覗こう』とか日常茶飯事ですし、状態の良いスニーカーとかも結構あるんですよ。
老舗の古着屋や、古着屋が競合している街の古着屋に比べて、リユースショップは数千円安いイメージ。玉石混交ですが、その中からレア商品を探し出すのが楽しみなんです。服や靴だけじゃなくて、就職活動用のネクタイとか財布とかも購入していますね。もう定価で服を買うことはまずないです」(Aさん)