新NISAには1800万円の生涯投資枠が設けられている。この上限までしか投資はできないが、売却することで枠を復活させることができる。年末を迎える中で、保有資産に関してチェックすべきポイントとは何か。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第121回は、「NISAの生涯投資枠」について。
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新NISAには、1800万円の生涯投資枠が設けられていますが、いまいちこの枠のルールや活用法についてはピンときていない人が多いようです。とりあえず満額になるのはまだ先と思って放置を決め込む人が多いようですが、しくみをきちんと理解することで、年末の保有銘柄のメンテナンスに役立つこともあります。
生涯投資枠が復活するしくみ
新NISAは、つみたて投資枠で120万円、成長投資枠で240万、合計360万円の年間投資限度額があります。ただし、毎年360万円を無制限に投資できるわけではなく、最大で1800万円までと決められており、これが生涯投資枠です。
ただし、つみたて投資枠だけの利用ならば、1800万円全枠を使えますが、成長投資枠だけを使う場合は、1200万円が上限になります。個別株に全振りしたい人も、つみたて投資枠を並行して使ったほうが有利というわけです。
生涯投資枠は、新NISA口座内で保有している資産を売却すれば、翌年に、投資取得額分の枠が復活します。たとえば30万円で買った株が50万円になっていて、その株を売却した場合は、翌年30万円の枠が復活することになります。売却価格でないところが注意ポイントです。