不正転売防止の効果はあるのか
今回、電子チケットにおけるマイナンバーカードを活用した本人確認を体験して、大きな不便を感じる点はなかったが、利用者側からの要望としては、複数枚数のチケットを申し込めるようなシステムがほしいということだ。記者は今回、29日の昼公演では同行者がいたため、通常の紙チケットで申し込むこととなった。すでに同行者に対しても顔写真による本人確認を行うイベントもあるが、マイナンバーカードを利用した電子チケットにおいても、同様に同行者の本人確認ができるようになれば、利用者の利便性が高まるだろう。
また、不正転売防止への効力も充分に感じられた。マイナンバーカードでの本人確認が必要となると、マイナンバーカードを不正に取得しない限り、別人が本人確認をパスするのは簡単ではない。チケット申込みの時点でマイナンバーカードによる認証が必要になるということで、転売業者が大量のアカウントを使ってチケット取得の抽選に応募するといったことも難しくなり、不正転売を目的としたチケット取得も防げるだろう。利用者としても、マイナンバーカードを活用することで「不正転売をしない」という明確な意思表示になるという点は、メリットと言えるかもしれない。
現時点では、あくまでも実証実験の段階であり、『ひなフェス』におけるマイナンバーカードを活用したチケット枠も限られていたが、今後活用される機会が増え、システムがブラッシュアップされば、不正転売防止とともに業務の効率化が期待できそうだ。