過去にギャンブルにハマったのは「黒歴史」と反省する“オバ記者”こと野原広子氏だが…
芸人やアスリートによるオンラインカジノ騒動があったかと思えば、大阪・関西万博終了後にはその跡地にカジノを含むIR施設の建設が計画されているという。何かとカジノに注目が集まる昨今だが、ギャンブルにハマった経験がある、女性セブンの名物ライター“オバ記者”こと野原広子氏は、今の状況に何を思っているのか。その文章からはギャンブル依存から抜け出すことの難しさも読み取れる。オバ記者が綴る。
万博は「結果的に大成功になる」と予想
「で、行くの? 行ったの?」が、これから秋にかけて挨拶がわりになるんだろうなぁ。4月13日から10月13日に開催される大阪・関西万博のことだ。
開幕前のいまは「前売りチケットが売れない」とか「失敗万博」とかさんざんな言われようで、7500円の一日券も、6700円の早割チケット(4月12日までの購入)も、「つまんなかったら許さない」という値段よ。
私の予想では「始めチョロチョロ、中パッパ」で、結果的には大成功になると思っている。国をあげてのイベントがしばらくなかったし、何より外国人観光客の多さよ。秋葉原に住んでいる私は、道行く人の半分が外国人かと思うくらいだ。
万博跡地の人工島「夢洲」は、2029年の開業をめざして、カジノ施設や国際会議場、ショッピングモールを収容した統合型リゾートになるんだってね。公営カジノの開設は日本初で、20年前から法案を通すの通さないのでもめて、やっとこぎつけたといういわくつき。大阪で成功したら長崎県佐世保市のハウステンボスの敷地内にもカジノを誘致するとかしないとか。
いや、もう、まいったわ。万博以上にカジノに対して、「行く寄りの行く」と血が騒ぐんだもの。
というのも、この連載で何度か書いたけど、私は32才から53才までの21年間、昼はパチンコ、夜は麻雀、土日はときどき競馬という“煮詰まったおっさんのような暮らし”をしていたの。その間、ライターをして生活費を稼いではいたけれど、軸足は完全に賭場にあり。寝ても覚めても頭の中を麻雀牌が占めていたこともある。「その頃って一緒に仕事していたよね? 全然気づかなかった」と当時の担当編集者は驚いていたけれど、いつのまにかポーカーフェイスが板についていたのかしら。
幸い、仕事で大ポカはなかったけれど、実際のところ、細かくいろんな人に迷惑をかけてきた。当然、信用を少しずつなくす一方で、増え続けるのは消費者金融のカードローンと督促の電話。こんな日々を早く終わりにしたいと、もがけばもがくほどぬかるみに足を取られていく。もう私はダメだと思ったことも一度や二度ではない。それが、禁煙が成功した途端に、ストンとギャンブル熱も冷めたというのがウソのようなほんとの話。そして私は、「ギャンブルでお金どころか人生スッちゃった」と笑い飛ばした。