SBIホールディングスの北尾吉孝・会長兼社長の動向に注目が集まる(時事通信フォト)
一連の問題を経て経営陣を刷新し、新たな船出を迎えたフジテレビ。抜本的な改革が求められるタイミングで行く手に現われたのは、20年前の“因縁の面々”だった──。
第三者委員会の報告とともに発表されたフジ・メディア・ホールディングス(HD)の新体制案に、アクティビスト(物言う株主)が噛み付いた。
4月中旬、問題発覚当時からフジの経営姿勢を激しく批判してきた米ダルトン・インベストメンツが、6月下旬の株主総会で、ある「株主提案」を行なう方針だと明らかになった。
SBIホールディングスの北尾吉孝・会長兼社長をフジの取締役として提案し、さらに11人の取締役候補者を提案する。ダルトン案を北尾氏側も受諾したという。ジャーナリストの高堀冬彦氏が言う。
「ダルトンはフジ側が発表した新体制案にある金光修・会長、清水賢治・社長ら5人の留任組について、日枝久・前取締役相談役が選んだ“オールドボーイズクラブ”の継続だと批判していました。これまでプロパーが舵取りを主導してきたフジで抜本的な経営改革をするには、ダルトンが推す北尾氏ら外部の血を入れることが不可欠でしょう」
北尾氏といえば、20年前の「ライブドア騒動」で“ホワイトナイト(友好的な買収者)”として現われ、堀江貴文氏による買収工作からフジテレビの経営陣を守った人物だ。
それが今回は一転、フジの現経営陣に退場を迫る側に立つことになる。SBI傘下の運用会社レオス・キャピタルワークスも、2月上旬にフジ・メディアHD株を5%超保有し、大株主となったことが話題になった。