そこで、店にどんな損害が生じたかが問題になります。店は食材を用意し、テーブルも確保したでしょうが、家族の誕生祝いで少人数のランチなら臨時に人を雇う必要はなかったと思います。食材は通常は転用できますし、人気店であれば予約席はすぐに埋まるでしょう。代金相当の損害が発生するかは疑問です。
しかし、予約客のみを受け入れる店であったり、ほかには使えない特別な料理の予約であった場合は、当日キャンセルで代金額に近い損害を被ったといえるかもしれません。その場合、店が損害を証明する必要があります。
もし予約時にキャンセルの額が説明されていれば、違約金の約束があったことになりますが、店と個人客との取引には消費者契約法が適用されます。同法では、違約金のうち、同じような店が締結する多くの同種の予約で算定される平均的な損害の額を超えた部分は無効とされます。店から損害の説明を受け、納得できなければ消費者センターなどに相談してください。
※女性セブン2025年5月1日号