日本のK-POPブームに変調の兆しも(写真:イメージマート)
コロナ禍以降、日本国内でも人気が続いてきたK-POPブーム。ところが、ライブに足を運んでいるK-POPファンからは、「今年に入ってから人気にかげりが出てきた」という声も聞こえてくる。いったい、どういうことか。ファンの声からK-POPブーム変調の兆しを探った。
グループが増えすぎて「一人ひとりにかける時間が減った」
都内のエンタメ系企業に勤務するK-POPファンの女性・Aさん(30代)は、15年ほど、複数のK-POPグループを追いかけてきた。
「少女時代やBIGBANGなどの時代からK-POPを好きな人がいる一方で、コロナ禍以降でここまで大きなブームにまで成長してきたと思います。とくにそれまでK-POPに親しみがなかった人たちの人気が加速するきっかけとなったのは、BTSの大ブレイクと、それ以降に躍進した第4世代の存在だったと思います」
第4世代とは主に2000年代生まれのメンバーで構成されたグループで、2019年頃からデビュー。Stray Kids、ITZY、aespa、ENHYPEN、TOMORROW X TOGETHER、NewJeans、LE SSERAFIM、ATEEZといったグループがいる。NHK『紅白歌合戦』に出場経験のあるグループも多く、日本での人気は高い。またコロナ禍が収束してから、2023年以降にデビューしたZEROBASEONEやRIIZE、BOYNEXTDOORといった第5世代も若い世代を中心に人気を博している。
「ただ、私の周りのK-POPファンたちのあいだでは、『グループが増えすぎ』という問題も話題に上がるようになりました。とにかく事務所が新グループを濫発してしまい、推し活ブームも相まって、ファンは次々とライトに推しを作ることになる。あちこちに推しがいるので、観るコンテンツも増え続ける。そうすると、相対的に一人ひとりのアイドルにかける時間が短くなっている気がするんです。『お金をかけずに、SNSだけで良いや』となってしまうのでは……」(Aさん)