この2週間でトータル8000万円以上の利益をたたき出したシゲルさんこと藤本茂さん
世界の株式市場は、トランプ米大統領の関税政策の動きに大きく値動きを左右される展開が続いている。日米交渉の行方にも注目が集まるなか、これまでの数多の経済危機を乗り越えてきた歴戦の投資家はどう動き、どういった投資成績を収め、今後の展開をどう見ているのか。資産20億円超の89歳現役トレーダーとして知られるシゲルさんこと、藤本茂さんに話を聞いた。
トランプ関税の影響による乱高下がとりわけ激しかったのが、4月7日の月曜日からの1週間だった。7日は史上3番目の急落となる2644円安を記録したが、翌8日1876円高と反発。翌9日に1298円安と大きく下げるも、10日は2894円高という市場2番目の上げ幅に。だが、11日の金曜日は1023円安とまたも大きな値下がりとなった。
百戦錬磨のシゲルさんも、「正直言うと、『また株価が下に行くのちゃうかい』と思って、さすがの僕も迷ってしまう1週間やったなぁ……」と振り返る。
最初の1週間のトータルは「プラス4300万円」
迷いを抱えながらも、優良銘柄を安値で仕込める「押し目買い」のチャンスだと思って売買を繰り返したというシゲルさんは「まずまずというところやった」と総括する。
「1週間の含み益は、それこそ日経平均の値動きと連動するかのように上がったり下がったりを繰り返した。売買記録のノートをみると、ざっとこんな感じや」(シゲルさん、以下「」内は同)
ノートに記録された数字は以下のようなものだった。
・7日(月) マイナス1億7000万円
・8日(火) プラス1億8000万円
・9日(水) マイナス8200万円
・10日(木) プラス1億5000万円
・11日(金) マイナス3500万円
トータルでプラス4300万円という計算になる。シゲルさんが言う。
「個別銘柄では、いつもよく手がけている竹内製作所(ミニショベルなどの小型建機メーカー。海外売上高比率は99%で円安メリット期待)は1週間で何回も売買して、4月10日にはプラス86万円ほどになった。住友商事や東海ソフト、岩井コスモホールディングス、カバーなど、いつも注目している得意な銘柄で売買したけど、やっぱり日経平均に比例するような上げ下げになってしまった」