トランプ関税ショックの影響を受ける日本企業の明暗分かれる(写真/AFP=時事)
トランプ米大統領が日本の24%をはじめ世界各国に「相互関税」をかけると発表したのを受けて、4月7日の日経平均株価は史上3番目の下げ幅となる「トランプ関税ショック」に襲われた。その後、相互関税の「90日延期」が伝わった同10日には一転して史上2番目の上げ幅を記録するなど、まさにジェットコースターのような激しい乱高下に見舞われている。
世界中に激震をもたらした「トランプ関税」はひとまず延期されたが、米国に輸入される中国製品には累計145%もの関税が課され、中国も米国に125%の報復関税で対抗するなど、米中貿易戦争の緊迫は高まる一方だ。さらには半導体やスマートフォンなど電子機器を対象にした新たな関税措置も近く発表される見通しで、依然不透明な状況に変わりはない。
いつどこにどんな牙を向け、そこからどう展開するのか──。先の全く読めない展開に世界中の動揺が続いているが、日本経済・日本企業への影響も当然ながら大きい。トランプ関税によってどの企業が沈み、どの企業が持ち堪えられるのか。金融文筆家の田代昌之氏が指摘する。
「まず標的となっている自動車関連では、自動車部品やタイヤなど幅広い業界が悪影響を受けるでしょう。世界的な貿易摩擦の激化で物流が鈍化しますから、海運業界も打撃を受ける可能性が高い。米国経済の先行き懸念から長期金利が上昇するなか、日銀の利上げ観測も不透明となり、金融業界にも懸念が高まっています」