期待感あふれる動画(KIBUN PACHI-PACHI 委員会YouTubeチャンネルより)
ゲーム性の複雑化でライトユーザーが不利な時代に
ラッキートリガー3.0プラスの“プラス”の部分で、パチンコのゲーム性が大きく拡大することも一長一短ありそうだ。
「ラッキートリガー3.0プラスでの“チャンスゾーン”は時短を駆使して作り出すとのことですが、仮に滞在しているのが“通常時”なのか“チャンスゾーン”なのかが一見してわからない仕様だと、“チャンスゾーン”であることを気づかずにやめてしまうユーザーも出てくるかもしれません。
パチスロでは、あえて滞在中の状態を隠すことで多様なゲーム性を生み出していますが、これまでそういったシステムがほとんどなかったパチンコで、わかりにくい複雑な出玉システムが受け入れられるかどうかは判断が難しいところです。少なくとも滞在中の状態がわかるような仕様にしないと、ユーザー側が損をしてしまう機会が増えるのではないでしょうか」
複雑なゲーム性の機種も多いパチスロでは、“チャンスとなるゲーム数”や“AT(アシストタイム。出玉が増える機能)を高確率で抽選するゾーン”などがあり、それを見極めながら打つユーザーも多い。そういった機種で勝つために、出玉システムをしっかりと学んで立ち回るのはもちろん、チャンスがあるゾーンで放置されている空き台を探し回るユーザーも少なくない。
「パチンコがラッキートリガー3.0プラスでパチスロのようになったら、ユーザー層も大きく変わるでしょう。パチスロでは機種の知識をしっかり調べている若いユーザーが多く、パチンコではそこまで知識を持っていないライトユーザーや年齢の高い層が多いというのが現在の傾向ですが、今後はパチンコでも若いユーザーが増えてくることが予想されます。パチンコよりもパチスロ人気が高い現状を考えると、パチスロユーザーをパチンコに呼び込むという点では“パチンコのパチスロ化”は間違った選択ではないと言えるかもしれません。
ただ、出玉システムについて何も知らない状態で打つと損をする可能性があるということは、新規ユーザーにとってはハードルが高くなってしまいますし、シンプルであるからこそ打っていた既存のパチンコユーザーが離れていってしまう懸念もある。また、ライトユーザーがやめたチャンスのある台を掴もうとして、店内をうろつく“ハイエナ”と呼ばれるユーザーがパチンコのシマに増えてしまう可能性もある。実質的に“知識がないと打てない”時代になれば、一部のコアユーザーのみが“おいしい”思いをすることになりかねません」
では、ラッキートリガー3.0プラス導入以降のパチンコには何が望まれるのだろうか。
「ゲーム性の幅が広がって、多様な機種が登場するのは歓迎すべきことです。しかしその結果、射幸性の高い機種やパチスロのような複雑なゲーム性の機種ばかりになると、新規ユーザーが入り込む余地がなくなってしまう。コアユーザー向けの射幸性の高い機種や複雑な機種がある一方で、新規ユーザーやライトユーザー向けの遊びやすくてシンプルな機種もある、という状況になるのが好ましいと思います」
パチンコのゲーム性が多様化させるラッキートリガー3.0プラス。果たして、パチンコ復活の引き金となるのだろうか──。
■前編記事:《デビュー間近のパチンコ新機能「ラッキートリガー3.0プラス」の2つの特徴 大当たり時の獲得期待出玉が大きく、パチスロのようなゲーム性が可能に》から読む