「S&P500への積立投資」には注意したい点もあるという(写真:イメージマート)
新NISAブームに伴い、各国の株式市場に効率よく分散投資できる「インデックス投資」が注目を集めている。中でもアメリカの株式市場を対象とするS&P500のインデックス投資は、直近10年のパフォーマンスも良く、メディアなどでも取り上げられる機会は多い。
その一方で、S&P500への積立投資が「投資の最適解」のように言われている風潮に警鐘を鳴らすのは、現在は資産4億円超の投資家兼会社経営者のヘム氏だ。ヘム氏の著書『「増配」株投資 年1,075万円もらう資産3.7億円の投資家が教える!』(KADOKAWA)より、一部抜粋・再構成して、インデックス投資の魅力と合わせて知っておきたい落とし穴について紹介する。
インデックス投資は初心者には最適解
日本では、低金利環境が続き、銀行預金の利息がほとんど増えないため、資産運用の手段として株式や投資信託への関心が高まっています。さらに、老後の年金問題や新NISAの登場により、株式市場はますます盛り上がりを見せています。
そんな中で、まずは最近の流行りであるインデックス投資について、私の見解を述べておきます。
インデックスとは日経平均株価やTOPIX、NYダウ、S&P500といった各国の株式市場の動きを表す指数です。その指数に連動して、リターンを目指す投資をインデックス投資といいます。
私は、投資初心者や銘柄分析に時間をかけたくないという人にとって、インデックス投資は低コストで市場平均を狙える最適解の投資だと思います。
日本市場への参加者は8割がプロ(機関投資家や銀行や証券会社等)、個人投資家のプロ級を合わせると約9割がプロだと考えられます。参加者のほとんどがプロということは、言い換えれば、市場平均はプロの売り買いの結果の平均値とも考えられます。
ここで少し考えてみてください。
素人の個人投資家が、9割がプロの世界に参戦して簡単に及第点を取れると思いますか?
どう考えても、無理でしょう。
それがインデックス投資なら可能なのです。たとえるなら、普通の学生10人が、東大生が90人もいるクラスでテストを受けても、平均点が取れるようなイメージです。
私はインデックス投資について「信じられないほどお得なシステム!」だと思っています。投資初心者や銘柄選定に時間をかけたくない人にはインデックス投資をおすすめします。